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夏休み

「おにい暑いよー」

「よくクーラーの前に座っててそれが言えるな」

「暑いものは暑いのー」


夏休みに入りいよいよ委員長との勝負が始まったのだが特に変わることはない。

もちろん今までより撮影に時間掛けられるし、母さんと父さんがいない分場所も取れる。

だが、いつも通りの陽菜の路線は崩さない。

普通に投稿するだけでそこそこいいねが付くのだから変に動いて減らすより相手の作戦をみたい。


「おにいアイスー」

「さっき食べただろ。腹壊したら大変だろうが」

「もーう」


いつも通りでいいのだが……

液体になりかけてる妹を見てると少し心配になる。


「よし!撮影しよう!」

「えー?おにいどうしたのー?そんなに私が撮りたいのー?」


にやにやしやがって。

こっちの心配も知らないで。


「夏休みの初日っておにいなら何するの?」

「俺なら計画立てるかな」

「うわつまらな」

「うるせーよ!何でそんなこと聞くんだよ!」

「それは撮影のためだよ。よし!じょあ今日は私と計画立ててるシチュでいこ!」


ただ悪口言ってるだけだと思ったがちゃんと考えていたんだな。

陽菜の部屋で準備に取り掛かる。


「カレンダーあるじゃん」

「それなんかもらったけど使ってないんだよねー」

「これ使おう。これに2人で書き込んでる風なんてどうだ?」

「いいじゃん!じゃあ着替えてくるからちょっと待ってて!」


その間俺はカメラを調整しておく。

30分ほど待っていると陽菜はメイクと猫耳のカチューシャだけ用意してきた。


「普段着の方がいいかなって思ったけどどう?」

「いいじゃないか。でも普段着載せていいのか?」

「いいよーこれ安いやつだからみんな持ってるし」


それなら安心だ。

やはり特定されたりするのが一番怖いからな。

陽菜はマーカーを手に取りカレンダーに書き込んでいく。

いつもとは違う可愛い字体でカレンダーを埋め尽くしていく。


「こんな感じでしょ」

「そうそう。いい感じだよ」

「おにいこの日はプール行っちゃう?」


書いていて段々と楽しくなってきたのか笑顔が自然になってきた。

逃さないように撮る。


「今年は宿題早く終わらせないとな」

「げっ!じゃあこの日に2人で図書館行っちゃう?」


マーカーの先で日付をつんつんとしながらと言うものだから本当に予定を立ててるみたいだ。

もちろん本人はそのつもりなのだろうが。


「でも今年は彼女が勝負挑んで来たからなー」

「急に真顔になるなよ」

「そうだ!こんなのどう?」


マーカーを鼻と口の間で挟んで悩んでるポーズを取る。


「おっ!いいなそれ!可愛いぞ!」

「急に褒めるじゃんってあっ!」


笑ったせいでマーカーが落ちてしまった。

机の下に潜り込み探している。

あった!と右手に握りしめ出てくるところにちょうど俺の足があり、足を引っ張りながら体を起こそうとしているところを撮る。


「ちょ!おにいそれは恥ずかしいよー!」

「すまん!」


陽菜の顔がちょうど俺の股間の前にある瞬間だったので少し陽菜の路線とは違う方向の写真が撮れてしまった。


「やっぱおにいは変態だね。こういうのも好きなんでしょ?」


そう言って胸元にペンを挟む。

好きだけど流石に妹のそんな姿は撮れなかった。


「おにい撮らない方がガチッぽいよ」

「うるせー今日はもう十分撮ったからだよ」

「はっ!もしやそのカメラに残ってデータで夜中1人で………」

「してねーよ!いいからほら!これ送るから!」

「あー誤魔化したー」


後ろでうるさいが数枚を厳選して送る。

渋々確認して良さそうだったので絵日記に貼り付ける。


「文章は私が書くかー。おにいが書いてたら可哀想だし」

「そこはちゃんとしてるの偉いな」

「まあおにいに乙女の気持ちはわからないだろうからね!」


イラッとしたがせっかくやる気を出していので放置しておく。

スマホの上で指が踊っているようにパパッと書いてしまう。

内容も良さそうだ。


「よし!おにいプールいこ!」

「はっ!?」

「水着みたいくせに。それに動かないと夏乗り越えられないよ!」

「うんまあそうだな」


投稿してすぐに水着を用意して家を出る。

あの速さはたぶん前もって準備していたな。


「市民プールは安くていいね!」

「そうだな」


100円とかで利用できるのは凄いと思う。

ただ更衣室とかの防犯が少し心配だが。

着替えて出ると既に陽菜が体操していた。

偉いと褒めるべきか速すぎだろとツッコむべきか。


「わーお姉さんかわいいー」


小学校低学年ぐらいの子供が寄ってくる。


「君たち見る目あるねー!お姉さんと一緒に泳ぐかい?」

「ううん。お姉さんかれしいるからやめとくー」


彼氏?と陽菜が不思議そうに考えている。

後ろを見て俺がいるのに気がついてなるほどっと手を叩く。


「虎生くん彼氏だって」

「陽菜ちゃんも彼女だって」


予想外の返しに驚いたようだがそれならばと


「じゃあ付き合ってるならこれくらいするよねー」

「ちょお前なー」


俺の腕を両手で掴む。

なんだか柔らかい感触が………

いかんいかん!相手は妹だ。


「はーいそこのカップルイチャつかないでねー」


指導員さんに注意される。

本気で言ったわけじゃなく向こうも楽しそうに言ってやったみたいな顔をしている。

気まづそうに陽菜が離れていくので面白そうに笑っている。


「よし!じゃあ25m遅かった方がアイス奢りな!」

「いいよー!おにいに負ける気しないし!」


すぐに元気を取り戻しプールに飛び込む。

また怒られそうなので俺はゆっくり入る。


「それじゃあスタート!」


意気揚々と陽菜がスタートするがすぐに追いつく。

実は泳ぎは得意なのだ。陽菜の前ではあまり泳ぐ機会がなかったから知るまい。


それでも陽菜の驚異的な追い上げを受け簡単には勝てなかった。

悔しそうだが得意な泳ぎでも負けたらメンツが立たなくなるので勝ててよかったと安心した

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