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解放

放課後になると皆この話題に飽きてきたのかやることがあるのか囲まれることはなくなった。

昼休みは弁当も食べられないくらい質問が飛んで来るので大変だった。


「虎生くんちょっといいかな?」

「わかった…」


委員長に手招きされ屋上に向かった。

もうこの際しっかりと話がしたかったので、疑惑を利用して委員長と2人になることに成功した。

話があるんだって言うとさすがに引いてくれた。


「それでどうして急に眼鏡を外したんだ?」

「もう虎生くんせっかち。せっかく2人きりになれたのに」

「だから急いで聞いてるんだよ」

「それはそうね。何処から話せばいいのか分からないから単刀直入に言うね。陽菜ちゃんに勝つため」

「陽菜に勝つため?」

「そう。私夏休み中に陽菜ちゃんに勝ちたいの。そのためには私を磨くしかない。陰になってる時間なんてないんだよ」

「どうしてそこまで………」

「それは終わってからのお楽しみ」


そう言いご機嫌な様子で階段を降りていく。

あんなにも素顔は隠していた委員長がいきなり晒したんだ。もしかしたら先生と何か話し合いがあったのかもしれない。


ピコンっ!と携帯の通知が鳴る。

陽菜からだ。


(おにい私の部屋で待ってるから)


これはかなりお怒りなご様子だ。

結局なにもわからないまま帰路につき、陽菜になんて言おうか考えていたがそのまま言うしかない。

俺だってまったく把握できていないんだから。


「で?おにいが彼女作ったって私のクラスでも噂になってたけど?」

「その……色々とありまして」


あとでわかるようなことがあれば陽菜に殺されかけないので本当にあったことを全て話す。


「なるほどね。そういうことなら良いんじゃない」

「なんだ?怒ってないのか」

「そりゃ最初は意味わからないから怒ってたけどおにいの話聞いて納得。要は彼女なりに覚悟決めて来たんでしょうね」

「どうしてそこまで……」


陽菜が納得しているのが理解出来なくて委員長にも言ったがどうしてそこまでするのかわからなかった。


「私からは何も言えないよ。どうしても気になるなら彼女に聞いて」

「そうだな……あれ?陽菜。委員長のことストーカーさんって呼ばなくなったんだな」

「別に。呼びやすい言い方してるだけ。それよりそこまでしてきた彼女を正面から倒したらどんな顔するか……うふっ」


女の争い怖すぎる。

まあ兄としてこの争いに負けるわけにはいかないがやはり先生の存在が不気味すぎる。

俺達より長くこの界隈にいたはずだ。

今日のように策を打ってくるだろう。

陽菜は正面から潰す気満々だが、もし何かあってもいいように第2の案も考えておく必要がありそうだ。



____________


「はぁはぁ」


胸の動悸が止まらない。

今日一日眼鏡を外していたことでかなりのストレスを受けた。

偽りのない本当の自分。それを曝け出すのはとても勇気のいることだったけど今踏み出さないと絶対私は後悔する。

勝つにはこれしかない。

陽菜ちゃんは圧倒的な可愛さを完全に自分のものにしている。

私も自分を最大限に活かすために少しでも眼鏡を外した状態でいたい。

理解して自分のものにしてそれをカメラ越しに伝える。

難しいがやるしかない。


スマホの着信音が鳴る先生からだ


「もしもし。院内さん大胆なことしたわね」

「勝つため……ですから」

「凄いわ。私まで感化されちゃったわ。今からコラボの方針決めたいけどいいかしら?急で申し訳ないけどどうしても言いたいの」

「ありがとうございます。ぜひお願いします」

「よかった。この気持ちを早く伝えたいと思ってね。それじゃあ始めるわね。恐らく陽菜ちゃんはこの夏大きな方向転換はしない。今いるフォロワーから集めればいいわけね」

「たしかにそうですね」

「あとは院内さんの伸び次第だけど陽菜ちゃんとは逆を行きましょう。日常じゃなくて非日常をテーマに色んな題材を試しましょう」

「なるほど。でも先生それだとキャラがブレて次に繋がりにくくはないでしょうか?」

「おっ!さすがねー!でも大丈夫。夏休みは普段の何倍も投稿が見られるからいいねを色んな層からかき集めるのよ」


なるほど。

たしかに今回の戦いはいいねの数で決着を付ける。

フォローに繋がらなかったとしても毎日違う層を取り込めばいいねは稼げる。

夏休みにだけ顔を出すような人達からも集めるわけだ。


「だけどそんなに私衣装がないです……」


毎日違う題材ってことはかなりの衣装や小道具が必要になってくる。

アルバイトが禁止の学生の資金力なんてたかが知れてる。


「何言ってんの。だから私がいるんでしょ。小道具も衣装もなんだってあるわよ」

「先生……」


これ程までに頼もしいとは。

先生の経験も今回は貸して頂く。


「ただそれでも今回はかなり厳しい戦いになる。勝率は3.4割。死力を尽くしてようやく五分ね」

「勝ちます。勝ってみせます!0じゃないだけ上等です!」

「よく言った!絶対に勝ちましょう!」

「はい!!」


ここにきて勝機が少しだが見えてきた。

この希望の光を必ず掴んで……その先にいる虎生くんも掴んでみせる!

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