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帰り

その後陽菜達にバレることなく合流できた。

まだ胸の柔らかい感触が……ってなに考えてんだ俺は。


あれからも皆で遊んだいたら気付けば時計は既に17時を指していた。


「先生そろそろ帰りますか?」

「そうね。おーいみんなー!帰るよー」


流石本職が先生だ。

よく通る声で耳に届くし、かといって他の人の迷惑にならない程度だ。

もう少し遊びたそうな陽菜達だが、今日ずっと遊んでいて疲れていないのだろうか。


「みんなお腹減ったでしょ。近くに美味しいご飯屋さんあるからいきましょ」

「先生行きつけ!?」

「まあそうかも」


失礼かもしれないがおそらく同じことをみんな思った。

先生って意外とアウトドアなんだって



先生の車に乗り、5分ほど走らせると定食屋さんに着いた。

かなり年季の入った建物だ。


「ここ私が大学生の時にお世話になったのよね」

「そういうの憧れますね」

「あのー2人共。陽菜がそろそろお腹減って液体になりそうです」

「うわー久しぶり見たわ!陽菜のちゃんお腹減るとこうなるんだよな」


新太郎が嬉しそうに陽菜を見ているが、陽菜にも意識はあるのであとでしばかれるだろう。


扉を開けると中から野球中継の音がする。


「だれだよー……って!みっちゃん!」

「おじい久しぶりー」


みっちゃんって呼ばれてたんだな。

おじいさんは余程嬉しかったのか先程まで横になってテレビを見ていたというのに、今はぴょんぴょんと跳ねている。


「この子達は私の教え子なの」

「うぅ……あのみっちゃんがなー。よーし待っとけ!美味いもん食わせてやるからな!」


おじいはんは動きが若々しすぎて、少し怖い。

まるで実家に帰ってきた娘に接しているみたいだ。



20分後


「ほらお待たせ!どーんと食べておくれよ!」


忘れてた………。おじいちゃんって孫に食わせるんだよな。

明らかに丼のサイズがおかしい。


「ほらほら冷めちゃうぞ」

「いただきます」


おじいさんの料理は本当に美味しかった。

和食中心だか、高校生4人で食べても満腹になるほど提供してくれた。

っていうかどんどんくるけど注文した覚えないんだが、


キッチンに目をやると楽しそうに鍋をするおじいちゃんが。、

もうちょっと頑張って食べようかな。




「それじゃあ、おじいまたねー」

「おう。いつでも待ってるからな」


「「ありがとうございました!!!」」


再び車に乗り込みさあ帰ろうかというところで何故か発進しない車。


「本番はここからよ」

「先生どういうことですか?」

「ほらここって小高い丘になってるなら夕焼けがとても綺麗に見れるのよ」

「あっ!おにいさっきまで遊んでた砂浜が見えるよ!」


陽菜の言う通りこの場所からは砂浜が見渡せる最高の1等地だ。


「相変わらず綺麗ね」

「本当ですね」

「ロマンチックね」


太陽が落ちかけ俺達5人の後には長い影が伸びている。

まるで最後に挨拶するように今日一番の輝きを放ち水平線に消えていった。


「綺麗ね虎生くん」


こんな時でも隙あらば指を絡めようとしてくるのはもはや才能ではないだろうか。


「まだよ」


先生が沈んでいった太陽を見ながらまだだと言う。

次第に空は暗くなり、空は真っ赤な夕焼けから深い夜に変わったかと思いきや、太陽が最後と言わんばかりに光を放ち、空を青く染め上げた。

そして役目を終え、再び夜の静けさが訪れた。


俺達は太陽が沈んでもしばらく空を見上げたままだった。

やがて星が輝き出した所で先生が動いた。


「さ、帰りましょう」

「はい」


自然の雄大さに俺たちは言葉が見つからずただ、はいとだけ返した。

海岸に背を向け車に向かって歩きだす。

最後に振り返えれば何かあるんじゃないか。

そう思ったが美しい景色をしっかりと覚えておくように振り返らなかった





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