2人きり?
普段はテスト前だからといって特段授業に力をいれることはないが今回ばかりは別だ。
先生のちょっとのヒントも逃さないようにする。
「おーい遊び行こうぜ」
「すまん新太郎。今日はテスト勉強したいんだ」
「まあそうだよなーすまん!」
新太郎の誘いを断って俺が向かったのは図書室。
うちの学校はかなり広く勉強スペースも充実してるので助かる。
陽菜には勉強するからとメッセージ入れておいた。
端のほうで委員長が既に勉強している。
「おまたせ。今日はありがと」
「いえいえ。それよりここどうぞ」
横のイスをポンポンと手で叩く。
よし!これで気合い入れてテスト勉強でき………
「委員長?」
「眼鏡外してるからさくらって言ってよ」
拗ねたように言っているがそれどころじゃない。
座った瞬間委員長が距離を詰めてきて、広いテーブルで端に寄っているという奇妙な光景になっている。
「えっとさくらさん近くないですか?」
「こうしなきゃノート見えないでしょ」
「それはそうだが……」
距離を詰めて来たが特になにもしてくる訳ではなく、淡々と勉強を教えてくれる。
気の所為だろうと勉強に集中しようとするが…
「ひっ」
「どうしたの虎生くん?」
「なんでもないです……」
一瞬太ももの辺りに手が触れた気がした。
なんて表現すればいいかわからないが、背筋がゾクッとするような……
「ねえ虎生くん。ちゃんと集中してよー」
「す、すまない」
そうだ。委員長の言う通りちょっと手が触れたぐらいで乱す方が悪い。
「虎生やっぱり頭いいね。もう私より先に進んでるよ」
「委員長が解き方教えてくれたからだよ。ほんとに助かってる」
「は?」
「すみません。さくらが教えてくれたからです」
「うんうん、虎生くんにそう言われると嬉しいなー」
今のは俺が悪かった。
でも大丈夫。地雷さえ踏まなければ委員長は教え方が上手くて助かる。
「あんた達何してんのよ」
「あっ先生」
「ちっ」
三上先生が来たので仕方なく外行きように眼鏡を掛けている。
「そんな所でイチャイチャして。青春ねー」
「先生何かありますか?」
「い、いえ。楽しそうだなって思って。それじゃあまたね!」
先生は脱兎のことく逃げだし、隙間から親指を立て図書室をあとにしていった。
カチャと音がしたと思うと委員長が俺の右手を握っている。
「へー虎生くん生命線長いねー」
「ははっいま短くなりそうです」
「もう。私は虎生くんの手が男らしくてかっこいいなって思っただけなのに」
「う、嬉しいな。所で手は離さないんですか?」
「実はね。私昔合気道やってたんだ」
「へっ?いてて!!!」
机の下に手を引きずりこまれる。
痛くてなにもすることができない。
「虎生くんの手好きー」
「痛いってさくら!」
少し優しくなった。
なぜだ?また捻られる前に考えないと………はっ!
「さくらって名前ぴったりだな。柔らかい木質なのにしっかりと美しい」
再び緩む。この調子だ。
「そういえば桜の花言葉知ってるか?純血、精神美だってよ」
「もう。虎生くんにそんなに褒められたら皆から顔が赤いのバレちゃう」
委員長が顔を覆ったことでなんとか脱出することができた。
「はあ我慢出来なくて襲っちゃった。ごめんね。今からはちゃんと勉強しよっか」
「そ、そうしましょう!」
なんとか委員長が理性を取り戻したので助かった。
それにしても背筋がどうもゾクッとするな
風邪でも引いたのだろうか。
帰ったらほどほどにして休もう。
「先生教えてくれてありがとうございます」
「いやーこれは陽菜ちゃんに教えなきゃと思ってね!」
おにいの背後からしっかりとストーカーが暴行する瞬間を見ていた。
後ろから殴ろうと思ったが向こうが気が付いたようなので辞めた。
おにいは帰ったら説教だなこれは。
あんな女にデレデレしてて許せないんだから




