打ち上げ
撮影は無事延長することなく終わり、あとはしっかり投稿さえすれば今回のコラボは成功だ。
初めてのコラボで心配なことばかりだったけど、何事もなく終われてよかった。
「ふー疲れたわねー!」
「そうですね。でもいい写真がいっぱい撮れて良かったです」
「私も!ほんっと陽菜ちゃんに声掛けてよかった!ありがとね!」
「いえこちらこそ。今回は先生の力を借りてばっかりになってしまいました」
「いいのよいいのよ。それじゃあアレ行きましょうか?」
「はい!楽しみです」
アレってなんだ?もしかしてまだ撮るのか?
それとも俺が知らないうちに約束したのか?
「ちょっ!ちょっと!待ってください!俺何も知らないんですけど」
「え?聞いてないの?」
「あ、おにいに伝え忘れてました。おにい今から焼肉いくよ」
「え!?いつの間に?!」
「2人で終わったら行こうって決めてたのよね」
陽菜わざと言ってなかったな。
知ったら俺が遠慮すると思ってだんだろう。
「そのお店って……」
「もちろん予約してるわよ!」
「あとストーカーさんも呼んだから」
「なんでだよぉーー!!」
俺の知らない所でめちゃくちゃ仲良くなってるし、なんで委員長まで誘うんだよ。
嫌ってわけじゃないんだが外で会うの初めてな気がするから緊張するじゃないか。
「そりゃあ私たち今日に向けて体絞ってたんだから焼肉ぐらいねー」
「そうですよねー。私が頑張って絞ってたのに気付かない人もいたんですけどねー」
「えー!そんな酷い人いるのー?!」
わざとらしい演技しやがって。
たしかに陽菜が絞っていたのに気付けなかったのは完全に俺が悪いが……
「わかりました。行きましょう」
「いぇーい」
諦めて2人に付いていく。
着いたのはチェーン店で食べ放題が魅力的だ。
かなり食べるつもりだな。
「あ、院内さん!」
「ストーカーさんこんにちは」
「こんにちは先生、陽菜さん。あとその呼び方は外では変えてもらえないかしら?」
「嫌ですー!人の兄誘拐して撮らせたんですから」
「……そうですよね。いつかちゃんと呼んで貰えるように頑張ります」
なんで呼んだのに喧嘩吹っ掛けるんだよ。
たしかに陽菜はその件を完全に許したわけじゃなさそうだけど。
「先生お腹すいたから早く入りましょー」
「はーい」
お店に入り従業員さんに名前を伝えると席へ案内してくれた。
俺と陽菜。俺の正面に委員長で陽菜の正面が先生になるように座った。
「さあ!食べるわよー陽菜ちゃんと院内さんも遠慮しないでね!」
そう言ってベルを鳴らして従業員さんを呼ぶ。
「タンとハラミをお願いします。みんなはー?」
「ありがとうございます。それじゃあカルビを」
「あっ!私もお願いします!!」
「俺もタン欲しいです」
「じゃあタンだけ4 人前であとは2人前でお願いします」
従業員さんが注文を受け厨房に下がっていくと、先生が少し落ち込んみだした。
たぶんしょうもない理由だろうけど他に話題もないので聞いてみる。
「ははっ若いっていいわね」
あ、先生もうカルビとか胃にきちゃうんだ。
だからホルモンとか頼まなかったのか。
「先生通路側の私たちからドリンク取りにいきましょ」
「そうね!」
陽菜と先生がドリンクを取りにいく。
委員長と2人になりどんな話題を振ろうか迷っていると委員長の方から振ってくれた。
「虎生くん今日はコラボお疲れ様。あの2人の様子みる感じ上手くいきました?」
「ありがとう。しっかり成功したよ」
「やっぱり陽菜ちゃんとか先生は凄いですね。あんな感じなのに撮影になると別人になるんですから」
「たしかにね。そこにかける思いは凄いよね」
「私も2人に追いつきたいです……」
悔しそうに委員長はそう言った。
けれど委員長だって初めてちょっとしか経ってないのによく頑張っている。
前からやってるあの2人と比べるのは無謀だか……
「おまたせー」
「おにいとストーカーさん次いいよー」
帰ってきた2人と入れ替わるように俺達はドリンクバーの方に向かう。
委員長にアドバイスのつもりで思い付いたことを言ってみる。
「委員長も2人みたいに属性?というかキャラ付けとかどう?」
「キャラ付けですか?」
「そう。陽菜だったら猫で先生だったら巫女さんみたいに。もちろん縛られるデメリットもあるけど一度に何枚も撮ってしまえば楽に毎日投稿できるからね」
「なるほど……少し考えてみます」
委員長真面目すぎるからあんまり考えすぎないで欲しいけど、悩んでるのを見て何も言わないわけにはいかなかった。
けど出来るだけするってなったらフォローはするつもりだ。
ジュースを入れて席に戻ると既に2人は裏垢論みたいなのを展開させていた。
お肉がすぐに届き2人の意識がそっちに行ったので助かった。
もちろん焼くのは俺の仕事なのでやる。
焦がしでもしたら怒られるので真剣に。
しかし悩んでそうな委員長を見てこんな時に言うのも違ったかなと後悔した。




