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撮影

「え?おにいそれでカメラ受け取ったの?」


一眼レフを取り出し頂いた経緯を説明するとこのように言われた。

そりゃ高いからそう思うよな。


「まぁ……明日これで撮ってねってことだろうけど」

「あーなるほど」

「あの先生は純粋に裏垢楽しんでるからよくわかんないや」


たしかにその話題の時だけ目が輝いてる。

まるで青春してるかのような眩しさを感じるし、それを写真に活かせてるからいい写真が撮れてるんだろう。


「じゃあおにいそのカメラで最初はだれ撮るのー?」

「だれってお前………」


絶対私でしょって顔してるのが悔しいが正解だ。


「陽菜に決まってるだろ」

「言わせたかっただけー」


今すぐ壁に向かってシャッター切ってやってもいいんだぞと思ったがそんなことをすると口を聞いてもらえなくなりそうなので辞めておく。


「ほらほら!早く撮ってよー」

「わかったって」


猫のように床に手を付き、おちょくってるような笑顔でこっちを見てる。

カメラを向けるにゃーこさんではなく陽菜のままニコッと笑う。

小道具で八重歯を付けており、普段より数倍猫らしくて可愛い。


「どうよー妹がこんなに可愛くて幸せでしょー」

「そうかもな」

「照れちゃってー!おにいこういうのはどう?」

「なっ!お前」


まるで猫のように膝に乗ってきたと思ったら首に手を回されてこれじゃあカメラのスペースがない。

だが可愛すぎる陽菜を前にして撮らないわけにはいかない。

見えないが顔の横にカメラを持って来て感覚で撮る。


「にゃー。どう?猫そっくりでしょー」

「あぁ可愛すぎだぞ」

「もう!おにいー!」


顔を俺の胸のあたりでスリスリしている。

これじゃあさすがに撮れないし、心音が聞こえるんじゃないかと思ってドキドキする。


「ぷあ!ごめんごめんこれじゃ撮れないよね」


そう言って布団に入り込み顔だけ出す。

それじゃあ新衣装の意味があまりないのだが、すっかり猫になりきってる陽菜が可愛くて撮る。


「こんなの好きでしょー!」


そのままベットで仰向けになり、手首を曲げて手招きしている。

ベットに乗り上から撮る。猫になりきってるせいか笑顔は自然だし、不思議と撫でたくなる。

気が付くとお腹の辺りに手が伸びていた。


「ひゃ!おにぃ……」

「あっ!すまん!」


俺はなんてことを。急いで手をどけようとするが、その手を陽菜が掴む。


「今猫になりきってるから大丈夫だから」


そう言われ火が付いた俺は再びお腹を撫でてみる。本当に猫を触ってるみたいだ。


「んっ!くすぐったいよぉー」


さっきまで笑顔だった陽菜が恥ずかしそうにしており今度は見てる方が背徳感に襲われるようだ。


「もう!おにい触りすぎ!」


怒って向こう向いてしまった。

そんな陽菜の後ろ姿も可愛くてつい撮ってしまう。


「陽菜こっちを向いてくれよ」

「もうやだ!こっち見ないで!」

「なんでだよー……」


見られたくないのかこっちを向いてくれなくなってしまった。

しばらく待っていると深呼吸してベットから立ち上がる。


「おにい最後にポーズ決めるからお願い」

「あぁ」


やはり立っている方がせっかくの衣装がよく見える。

顔の前で手首を曲げいつも通りのにゃーこさんの笑顔だ。

しっかり撮って陽菜に見せオッケーもらった。


「うぅーおにい寒いかもー」

「あぁたしかに冷房強すぎたかもな」

「おにいのシャツ借りるよー」


冷房の温度を上げる。そうだよな俺と違ってお腹出してるから風邪でも引いたら大変だ。


「って中々反応しないな」


もう古いからか反応がどうやら悪い。

なんとか温度を上げることが出来たので陽菜に視線を戻すと、、


「え?」

「え?おにいなに?」


カシャ


気が付くと押していた。いや押さないと行けないと思った。

俺のシャツを着ているせいで袖は長いし肩周りだってゆるゆるだ。

だが、そこがいい。

まるで彼氏のシャツを借りて着ているようでオフ感が堪らなく良い。


「ちょっとおにいどういうこと!?」

「あ、すまん!」


そのあと陽菜にこっ酷く怒られたが写真が可愛かったので許してもらった。

2人で投稿する写真を選び、一枚はしっかりポーズを決めているものを。

もう一枚奇跡的に膝に乗っている陽菜が綺麗に撮れているものを選んだ。


「それと一応最後に撮ったこれも今度上げるね」

「おう。それ可愛いから選んでくれてよかった」


まさかその写真が過去一バズるとはこの時考えもしてなかった。



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