閃き
あれから3日ほど経ちスタジオや細かいポーズなどは2人に任せて順調に進んでいるのだが、
「だめたーどうすればいいんだよ」
お昼休みに屋上で必死にアイディアを絞ろうとするも出ない。
陽菜や先生が言ってた悩んだ時にリラックスできる場所の意味が今ならわかる。
どれだけ考えても何もでない。
出たかと思っても既に試していたりと、まったく進まないのだ。
どうしたものかと頭を抱えていると………
「虎生くんかなり悩んでるねー」
「あ、いいん……さくら……さん……」
「めっちゃ無理してるじゃん。なにもしかして新衣装のこと?」
図星だ。こんなに頭抱えている奴がいたらそりゃわかるな。
「難しいよねー私も力になれたらって考えてみたけどさーぱり」
「さくらさんでもそうなのか」
「うん。猫ちゃんってすごい簡単にコスプレできるじゃん?それこそカップルが遊びでするみたし。けどそれ以上深い所まで掘り下げてる衣装がないんだよね」
そう。まさにそれなのだ。
猫 コスプレ で検索したら山程出てくるのだが、チープなものだったりカップル用の露出が多いのだったりして意外と種類が少ないんだ。
「猫ちゃんにも色んな種類がいたらいいのにねー」
「ん、?どういうこと?」
「だってわんちゃんは大きさ全然違ったりするじゃん。ビックリするくらい大きいわんちゃんいたり、足がすっごく短いわんちゃんいたり……」
「それだ!!!」
「ええ!?」
猫にもたくさん種類があるじゃないか。
犬は散歩が必要な子が多いから外で色んな種類を見れるけど、猫はほとんど散歩させないし、放し飼いは縄張り争いするからリスクが大きい。
ほとんどの子が家から出ないから猫のイメージはどうしても絞られがちなんだ。
だから衣装も似たり寄ったりになる。
だけど猫にだって毛が長いやつがいるから他の動物をモチーフにしてても改良すれば使える!
「ありがとうさくらさん!」
「なんなのよもー」
猫に限らずあらゆる動物で探すんだ!
ほら!たくさん出てきた!うさぎにたぬきにライオンまで。商品名に違う動物が含まれているだけで違ったものに感じるけど、単体で見れば猫として使ってもなにもおかしくない!
「これは期待してもいいかもしれない………」
今度は豊富な種類から選ぶという贅沢な悩みに変わった。
少し違う色を混ぜるだけで雑種感も増しそうだ。
カスタムもし放題じゃないか。
「虎生くん……ちょっと怖い……」
「さくらにあいそうなのもほら!たくさん!」
「さ、さくら!って!」
「え?」
あっ興奮しすぎてついついさん付けを忘れてしまった。
けど案外言ってみたら恥ずかしくないし、むしろ呼びやすくていいかもしれない。
「もう!虎生くんよくわからないけど協力出来たみたいだから今度また撮ってよね!」
「あぁ任せろ。最高なの撮ってやるよ」
「なにこれ?ハイになってるんだけど……」
家に帰っても時間が許す限り目を通し、翌朝にようやく注文確定できた。
これは楽しみになっ……て……
「ちょっと虎生!?」
母さんの声で少しだけ意識が戻るがもう眠い。
プレッシャーからの解放と寝不足が一気に押し寄せてきた。
少しだけ寝よう……




