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スキマ時間に

朝陽がカーテンの隙間から差し込み眩しさで目が覚める。

昨日は考え過ぎてねれなかったから少し寝不足だ。

下の階に降りて歯磨きと顔を笑って陽菜を起こしに行く。


「おーい陽菜朝だぞー」

「おにい……むぅーもう朝なの」

「今日は寝坊したら殺されるからな」

「それはおにいだけ」


ベットから起き上がりクローゼットの方に歩き出す。

取り出したのはいつもの衣装。


「おにい今日撮ってから行かない?今から準備して撮っても間に合うでしょ?」

「あー全然間に合うけどいきなりだな」

「最近撮れてないのおにいのせいだけどね」

「たしかに。じゃあ待ってるな」

「うん。ちょうと待っててねー」


1時間ほどゲームなどして時間を潰す。

昨日から陽菜の新衣装関連の検索をしすぎて閲覧履歴が誰にも見せられない状態になっていたのでそれも少しだけ消しておいた。



「おにいおまたせー」

「可愛いなほんと」


にゃーとさんになって登場だ。

紫を主体とした衣装だからちょうど梅雨ぐらいの今の季節にピッタリだ。


「おにいどんなポーズがいい?」

「うーんそうだな……」


最近撮ってなかったから「帰ってきたよ」って伝えられるようなのがいい。


「陽菜は久しぶりに会った友達にどんな感じで接する?」

「おにい、急だね。うーんそうだな。元気してたー?って感じかな」

「なるほど。それでいこう」

「えー!?おにい全然私わからないけど……」

「ポーズとか決めなくていいから。俺を久しぶりに会った友達も思って接してくれ」

「うーんとりあえずやってみる」


渋々という感じだが納得してくれた。

カメラに背を向け深く深呼吸しスイッチを入れたようだ。

いつでも撮れるように準備する。


「あー虎生くんみっけ!久しぶりだね!」


指を差して気付き満足気にこちらに近付いてくる。

手を後ろで組んで左右から覗きこむように


「虎生くん大きくなったね」


俺と陽菜の身長差のせいで自然と上目遣いになる。ふふっと笑ったところですかさず撮る。

しかしスイッチの入った陽菜は止まらない。


「もうー虎生くん昔みたいにしよ?」


それは陽菜が小さい時。

泣き虫な陽菜をなんとか励まそうと女の子が喜ぶことと聞いてとっさにしてしまったキスのことだ。

そんなこともあったなと思い出していると


「ねぇもうしてくれないの?」


さっきより一歩引いて今度は寂しげな顔に。

拗ねそうな顔も可愛い。ここもしっかり収める。


「あっ!これに夢中だからでしょ!」

「っておい!」


俺が撮っていた方の手を抑えられる。

役に入りすぎるのもいいがこれでは肝心の写真が撮れない。

しかし陽菜は俺の忠告も聞きそうにない。


「ほっぺにするだけでしょ?ほら」


駄目だ。こうなってしまったら場を収める為にも、ほっぺだしスキンシップみたいなものだろと自分に言い聞かせる。


「これでいいか?」

「うん!ありがと!」


やっと解放され自由になった手で最後に一枚だけ。

満足気な表情も撮れてよかった。


「おにいほんとどんな状況でも撮るよね」

「撮らないともったいないだろ」


何故か撮ったのに不満そうな陽菜にスマホを返す。

写真を確認して一枚気に入ったのがあったみたいだ。


「この覗き込むやついいかも!そうだなー」


(私がいない間他の子に浮気してない?)


「こんな文章でどうかな?普段はあんまり付けないけど」

「いいと思う」


早速着替える前に投稿してしまう。

なるべく皆が出勤や登校前にしておくと良いらしい。


「おにいありがとー!着替えたらすぐ先生のとこいこー」

「おう。時間少なくなったからなるべく早めで頼む」

「はいはーい」


そう言ってドアを締めたのを確認してから恥ずかしさで悶える。

この年の兄妹がほっぺとはいえキスはさすがにまずかったか。

陽菜が気にしてないことを祈りながら再び時間を潰した。





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