初バイト
「可愛い猫ちゃんたくさんいますよー!」
呼び込む妹の隣でプラカード持っている兄。(着ぐるみの中)
喋らない方が可愛いと言うことで陽菜の邪魔にならないように立っている。
「お母さんあのお姉さんかわいいー!」
「ほんとだねー」
小さい子にも大人気な陽菜が羨ましい。
それに比べて絶賛クソガキが俺の足を蹴っていやがる。
「おーいこのねずみ全然動かねぇぞ」
「ほんとだな!おいなんか言えよー」
腹の立つクソガキどもめ。
今すぐにでも被り物を脱いで追い掛けて泣かすぞ。
「ちょっとーねずみさんいじめちゃダメでしょー?」
「だってこいつ変だもーん」
「変じゃないよー可愛いねずみさんでしょ?
それ以上したら君たち襲っちゃうぞ♪」
「は、はい」
「よし!偉いね!これクーポン付いてるから良かったらお母さんお父さんと一緒に来てね!バイバーイ!」
唖然とする子供たちの手にビラを持たせて帰らせた。子供が性癖歪められちゃうだろ。
ただ助けられたのは事実なので小声で感謝する。
「陽菜すまん助かった」
「へいきへいきー」
その後も配り続け山のようにあったビラがなくなった。
まだあるか従業員さんに確認したところどうやら3日分ほど既に配っていたらしくもう無いとのこと。
「陽菜ちゃんすごいね。もう既にビラを持って来てくれたお客さんいたよ!」
「えーほんとうですかー?嬉しいです!」
「虎生くんも暑い中ありがとね!これ2人分のお給料。ちょっと色付けといたから!」
「わー嬉しいです!ありがとうございます!」
「ありがとうございます!」
3時間ほど働いて1万2千円。
1人当たり時給2000円だけどこんなにもらっていいのか。
「ほんとに助かったからまた学校が忙しくないときでいいから来てね!」
「はい!喜んで!」
「こんなに貰っていいんですか?」
「なによー休日出勤だと思えば安いものよー。本当にありがとね!」
「いえこちらこそありがとうございます」
外は陽が落ちかけており、影もだいぶ長くなった。
忙しかったせいか1日が早く終わりそうだ。
「おにい!これだけあったら好きなもの買えるね!」
「そうだな。陽菜はどんなのがいい?」
「えーそれ私に聞かないでよー。おにいが決めて!」
「えぇ俺が決めていいのかよ」
「もちろん!信頼してるよ!」
「うーん頑張ってみるよ」
自分の部屋でスマホ片手にいろんな通販サイトを確認する。
どれも可愛くていいのだが、完成品だと気になるところもあるので単品で揃えていきたのだがその分少し高くなる。
この辺りは陽菜に相談しないとな。
色々考え込んでいたところ、飛び込んできたスマホのプッシュ通知に少し疑問を持つ。
陽菜がにゃーこさんのアカウントで投稿したみたいだ。今日は写真撮ってないはずだけど……
恐る恐る内容を確認してみると
(なんとあの巫女さんとコラボ決定!まだまだ日にちは決まってないけど凄く嬉しい!それに伴い新衣装も発表するからみんな楽しみに待っててね!)
頭が痛いよものすごく。
すぐにたくさんのお祝いコメントで埋め尽くされていくのを見て更にプレッシャーが掛かる。
でもやるしかない。可愛い写真を撮れば良いんだ。
そう思うとやる気が込み上げてきた。
絶対可愛いくしてやるからな。




