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もぐもぐ

陽菜と約束したお詫びのデザートを食べにお店に向かっている。

あのあとは無事何事もなく、少し保健室で休んで授業にも参加できた。

委員長もいつも通り真面目に授業を受けており、さきほどの出来事が嘘のように思えるし嘘であってほしい。


「あ、おにいきたきた」


陽菜が指差す方にお店はなく人影が見える。

げっ!あの影は


「虎生くんごめーん!」

「なんで新太郎のお姉さんが」

「いやー昨日お詫びするって言ったんだけどアイスじゃ申し訳ないからオープンしたドーナツ食べ放題でも奢ろうと思ってね」

「いやほんとにそんな大丈夫ですから」

「なんだー?新太郎と一緒で思春期かー?」

「すみませんおにいが。もう思春期真っ只中で」

「いや!みんな年齢的にはそうだよな!?」

「はー乙女に年齢の話出すとかいい度胸してんじゃーん」

「はっ!?」


蘇るぞ。あの辛かった日々が。

鬼ごっこして捕まったらプロレス技を掛けられていた日々が。

思い出しただけで震える。


「そ、その、ありがたく奢られます」

「それでいいのよー!」

「おにい素直じゃないんだから」


もう言い返すことも怖いので二人に付いていく。

5分程歩くとドーナツ屋さんがあった。

最近オープンしただけあって外観はとても綺麗だしお客さんもかなり多そうだ。


「凄く美味しそうですね」

「でしょー陽菜ちゃん!」

「もう私この日の為にめっちゃダイエットしてたんだから!」

「じゃあ今日はチートデイですね!」

「陽菜ちゃんさすが!でもね聞いて!それなのに昨日彼氏からお前太ったって!信じられないよね!」

「えーもう昔からほんと男運ないですねー」

「そうなのー陽菜ちゃんは気を付けてねー。もし変なのきたら私がぶん殴ってやるんだから!」

「頼もしいです」


完全に蚊帳の外だが会話に入ることも出来ないので列を抜かされないように気をつける。

高校生や中学生が多いのもあって少し心配だ。


「陽菜ちゃん妹にしたいから虎生くんと付き合っちゃおうかな」

「えーおにいはやめたほうがいいですよー。スケベてすから」

「でもそれで陽菜ちゃんと家族になれるなら、、!」


いや付き合ったくらいじゃ家族にはならないだろと心の中で突っ込む。


「おっ!ようやく座れそう」

「やったー!あっという間でしたね」

「ほんとそれ!30分も待ってたとは思えないくらい陽菜ちゃんと話すの楽しいわー」


席に付いたら先に二人にドーナツを取りにいってもらって荷物の見張りをしておく。

暇だなと思ってスマホを開くと委員長が投稿していた。

周りに見られないように注意しながら見てみるが、、


「ひでぇな」


画像が全体的に暗いから表情もよくわからないし、ただ胸が少し見えるかな?くらいだ。

まあ最初はそうだよな。


「おにいありがとー!取ってきていいよー」

「あいよー」


ドーナツはかなり種類が豊富で定番のチョコやいちごから冒険気味なピスタチオと味に飽きることは無さそうだ。

3個ほど取って席に戻ると2人は話していてどんだけ話題尽きないんだよって思った。


「あ、おにい来た!よし食べよー」

「んー陽菜ちゃんこれ美味しい!」

「えーいいな!一口ください!」

「じゃあ陽菜ちゃんのもちょうだーい!」 

「もちろんです、はいあーん」


なんでナチュラルにあーんしてるんだよ。

女子同士だと普通なのかよ。新太郎としたら2人して吐くな。


「なに虎生くん羨ましいの!?もう仕方ないなーあーん」

「いや食べれませんよ!」

「はいおにいあーん」

「は!?陽菜まで!?」


目の前に2つのドーナツが急接近してくる。

これどっちを食べればいいんだよ。

新太郎助けてくれよー!!!


「虎生くん私のドーナツが食べれないのかー?」

「パワハラじゃないですか!」

「おにい食べてくれたら、、、嬉しいな、、」

「いやキャラじゃないだろ!」


「「もう!早く選んで!!」」


どうする虎生!妹を選べばシスコン扱い。

新太郎の姉を選べば陽菜に軽蔑される。

かくなる上は!!


「あー!2つ食いやがったー!」

「むーおにいの意気地なし」


なんとでも言え。

俺は俺の尊厳を守るのに必死なんだ。


「あ、ちょっとお手洗い行ってきますね」

「はーい。ゆっくりねー」


陽菜がトイレに行ったから新太郎の姉と2人きりだ。懐かしいな。昔はよくあったのに。


「なぁー虎生。新太郎いつ彼女できるんだよー」

「あいつ作る気ないですからね」

「ったくよー。いつまで引きずってんだか」


もちろん過去の事は姉も知っている。相当落ち込んでいたからな。


「抉らせると面倒臭いからなぁー虎生くんなんとかならない?」

「うーん」


こればかりほ周りが急かしても逆効果だけど何もしないのも姉としてはっているのもわかる。


「なんかごめんな。また今度話そ」

「そうですね」


終わって一安心したかと思いきや


「それでさっきの返事はどうなんだよー」


飲んでいたカフェオレを吹き出しそうになるもなんとかこらえる。

さっきっていうのは並んでいる時の話しだよな。


「駄目ですよ。彼氏いるじゃないですか」

「えー虎生くんがOKしたら別れるのにー」

「そんな人はもっと嫌ですよ」

「おっ!言うようになったねー!まあその通りだねー。新太郎の友達がちゃんとしててよかったわ」


なんだか試された気分だったが事なきを得た。

けれどすぐにスマホが鳴る。

どうやら陽菜からメッセージだ。


(これは絶対無理だね)


という文章と共に委員長のツイートが。

なるほどそれを確認しに行ったんだな。

陽菜の言う通りこれでバズったら苦労しないんだよな。


「お待たせしましたー」

「陽菜ちゃんのことならずっと待つからいいよー!」


2人はまた会話に花を咲かせていたが俺はどうにも委員長のことが気になって頭から抜けなかった。

既に案はある。

だがそれをするのは約束が違う気もしてできない。

もやもやした気持ちを抱えたまま食事が終わった。










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