保健室2
「さあ!?どっち!?」
「え、ええと、、」
質問の答えがわからない。
もちろん撮るつもりはないんだけど、下手に断っても後が怖そうだ。
俺が答えることが出来ずにいるとカーテンの影から陽菜が出てきた。
「ほらおにい困ってるじゃないですか」
「ひ、陽菜!?いつから?そこに?」
「ずーと。おにいが倒れたって聞いたから保健室に駆けつけて来たんだけど、居たのがこのストーカーさんでその時全部聞いたよ。どっちかおにいに選んでもらうって」
「そ、そうだったのか」
「でも言った通りおにいは選べなかったでしょ。賭けは私の勝ちですねストーカーさん」
「悔しいです。さすが兄妹ですね」
「それ以前の問題よ」
「どうして?聞かせてもらってもいいかな?」
俺の知らない所で賭けまでされていたのか。
陽菜が勝ったみたいだから安心だけど未だ続く女の戦いが油断を許してくれそうにはない。
「だっておにいは何を撮ればいいんですか?」
「え?それはもちろん、、、エッチなやつじゃないんですか?」
「思春期の中学生じゃないんですから。おにいはその先を求めてるんですよ」
「その先?、、」
ここで俺を見るのは辞めてくれ。
陽菜の言ってることまったく俺もわからないから見ても無駄です。
「まあ写真と動画の違いです。これがヒントです」
「写真と動画の違い、、、」
「まあ先ずは自分で撮ってみたらどうですか?そうすればわかるかもしれませんし」
そう言ってさらに委員長に近付く。
さっきから学校では珍しいくらいに怖いのだが、更に睨みつけながら続ける
「まだ何もしてない人が頼むなんて失礼ですよ」
「なるほど。たしかにそうですね。。つまり私が虎生くんに撮りたいと思わせるような写真を上げることが先と」
「そうですね。最低条件です」
「おにいこれでいいかな?」
急に俺に戻って来て焦るが陽菜の言ってること以外にこの場を抑える案もないので頷く。
「ただ基準が曖昧すぎますから1つだけストーカーさんにもチャンスあげます」
「いいんですか?」
「はい。1万いいね。これを達成したらおにいを貸し出すくらいはしてもいいです」
「1万いいねですね。わかりました」
1万いいねってけっこう難しいぞ。
だけど基準が曖昧なのは確かだからそれくらいあってもいいのかな。って撮るの俺じゃん。
「じゃあ私はこれで失礼します。色々報告がありますので」
「委員長!その本気でやるの?」
「当たり前だよ。陽菜さん一人に虎生くんを独占させないからね」
「そっか、、、」
「それでは」
委員長は眼鏡を掛けていつもの委員長になって戻っていく。
「す、すまん委員長に付けられてたみたいで」
「別にー私も気が付かなかったから」
陽菜はまだ少しムスッとしてるようだ。
女の戦いのあとだから当然か。
「陽菜が自分から条件甘くするなんて珍しいな」
「そう思う?」
「え、違うのか?だってずっと俺が撮りたくないって言えば終わる話なのに」
「だったらさっき撮りませんっておにいが言えばよかったのに」
ぐうの音もでない正論だ。
変な期待持たせるより全然いい。
「普通の写真載せるだけじゃまあ無理なのよ」
「それはそうだな」
委員長可愛いけどそれだけじゃ確率が低すぎる。
「おにいだったらどうする?」
「そうだな。。自分が一番映える長所を探すな」
「正解。でも初心者ってわからずに脱ぎたがるのよ。そしたら伸び悩んでた数字が一気に伸びるのよ」
「ほうほう」
「でも1万いいねは難しい。だからもっと脱ぎだすの」
「つまりそれって、、、」
「そう。どんどん過激になっていくね」
つまり1万に到達するために委員長はかなり刺激的な写真を撮ることになる。
陽菜はそれをわかっててあえて目に見えやすい数字を提示したんだ。
追いかけてより過激にするために。
ま、まるで悪魔だ。
「それよりおにいお腹へったー。今日は迷惑掛けられたからデザート奢ってね!」
「わかった」
「いぇーい!」
まったく。これから俺はどうすればいいんだよ。




