極メシ!!【東北じゃメジャーなアレを食べてみる!】
一風変わった食レポエッセイです。
こんにちは、皆さん毎度お馴染み稲村某で御座います。初め(略
……さて、今回はまたもや職場に送られてきたホヤちゃんに寄生していた【アレ】を味見してみたお話。Twitterに写真だけ載せているので既に知っている方もいるかもしれませんが……
【フジツボ】さんを食ってみよう! そんな感じです。
【フジツボ】とは何ぞや? とご存知無い方の為に説明しますと、ざっくり言えばヤドカリ等の仲間で、カニに近いけれど動き回らず三角柱のような殻を作り、その中で一生を過ごすちょっと強目のニートタイプ。一度ここだと住む場所を決めたら「もう絶対に動かん!」と意地になって頑張る硬派なニートです。働かないけれど。
主に海水中を漂うプランクトン等を櫛のような手で掻き集めて食べていますが、それはともかく集団で船の底等に生えてしまうと抵抗が増し、燃費が悪くなったりするみたいです。やや厄介者。
そんなフジツボですが、見た目の感じとは裏腹に東北では鮮魚コーナー等で売られていて、味噌汁や塩茹でで食されているそうです。
……じゃ、食してみようか(執筆を休憩中にしているので時間が無い)。
グラグラと茹だったお湯に放り込み、暫く放置。微妙に鳥のクチバシに似ている蓋の部分がヘコ、ヘコと動いている気がしますが、そりゃ熱湯ですからね。故上島竜兵師匠のような愁いを帯びた表情で振り返りながら、
「……押すなよっ!?」
と、言う時間すら与えられていないフジツボたん。哀れ昇天で御座います。
表面は固い殻に包まれていますが、残念ながら裏側は生身。頭隠して尻丸出しスタイルですがエロチックな雰囲気は皆無。では、お約束の貝剥きの先端で掻き出して……いや、その必要すら無し。蓋を押してあげれば反対側からプリッと身が全部出てきます。
……改めまして、食してみようか。
まず、蓋を指先で摘まみながら身を味わってみる。
……ふむ、小指の爪程度しかないから、味らしい味は……いや、あるな。これはまた珍しい味ですね。
例えるなら、貝の身の柔らかな甘味と、カニやエビの身に似た香ばしい脂の味。その両方がほんの少しだけ舌の上で弾けます。そして一瞬で消えました。お代わりなんてありませんからね、ハイおしまい。
んー、それにしても例の櫛に似た触手(とでも呼ぶべきか?)だけは妙にシャコシャコとした歯触りで、余り美味しくはない。まあ、魚のエラに近いので吐き出す程の不味さは無いんですが、小さいので気にしなきゃ気にならん。
だいたい五秒程で御馳走様、と相成りました。これ、味は悪くないけれど、旨い旨いと沢山食べるような量を採る手間が、面倒くさいかもしれませんね。
食べた感想は、【まぁまぁイケるけど腹の足しにはならん】でした。因みにホヤはお客様の胃の中へと消えていきました。好きな方には堪らない珍味ですので、こちらも機会がありましたら是非どうぞ。
そんなこんなで、今回はここまで。ご精読ありがとうございました!!