表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

見回り小次郎の朝は早い

作者: limia

初投稿となります。

加筆が多くなりすぎた為、新規での投稿をさせてもらいました。

一度読んだことがある人には申し訳ありません。


追記


新たに連載枠としてこの話の続きを連ねています。

もしよければそちらもお願いします。

俺の名前は小次郎だ。

俺はこの古臭い名前を育ての親から付けてもらった。

意外と気に入っているのは秘密だ。





 俺の朝は早い。

起きてまずするのは家の見回りだ。

日が出る前に起きて部屋を見回り、古い家故に湧く虫を仕留める。

今日は二匹しか湧いていなかったのは日頃からやっている成果だろうか?

それが終わると朝ご飯を食べる。

これが朝のルーティーンだ。






 その後から昼にかけては外に出掛ける事が多い。

ワルガキどもが悪さをしていないか見回りの仕事をするためだ。

同僚達との連絡も朝と夕方の二回に分けて指定の公園ですることになっている。

今日はまだ今の所、喧嘩も異常も無いようだ。






 昼ご飯は家に帰って食べる事にしている。

見回りだと分かるとたまに食品を扱う店から差し入れを貰うことがあるが、毎回貰うのも悪い気がするものの好意を無駄にするのもなんだし貰うのは時々だ。





 昼ご飯を食べた後は見回りの続きだ。

昼には一つ問題が起きたようだ。

同僚の一人、(たまき)からどうもワルガキがどこそこのプランターの草を全部引っこ抜いて遊んだらしいとの情報を貰った。

犯人は前にもやらかしたワルガキトリオらしく、俺は見回りつつそいつらの補導をすることになった。


 案外早く見つかったらしく、夕方にはワルガキ供は御用になったと連絡が来た。

なんでもテンションが上がりすぎて暴れたらしく、やらかした事に後から気付いて物置で震えてたらしい。

親からはきついパンチを貰い謝罪に行ったそうだ。







 この夕方の時間になると、見回りは公園が中心になる。

たまにワルガキの集会があるからだ。


 今日は無さそうだと安心したものの、別のトラブルが発生してしまった。

公園で遊んでいるちびっこ達に囲まれてしまったのだ。


「あそんであそんで!」

「おにごっこ!!」


 親に目を向けると困ったような、でも頼みたいような複雑な顔をしているのを見て、今日は仕方ないなと付き合ってやることにした。

見回りの性質上、地域の人との友好関係も大事な仕事だ。








 夜になると仕事は終わり帰宅する。


「おかえりぃ、ご飯できてるよぉ」


よろよろとこちらに歩いて来る育ての親からのおかえりを聞きながら、ただいまの意を込めて。


「にゃーご」


と一言。




俺は猫である。

名前は小次郎。

歳を食った育ての親への恩に、死ぬまで居てやろうと思う男だ。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

少しでも読んでプラスの気分になってもらえていると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ