現実
不動は鎌太郎の気持ちを知り、いろいろ考えて出した答えだとと、そんな鎌太郎をやはり好きだなと思うのだ。
さっきまで浮かんでいたまんまるい月が雲間に隠れて見えなくなった。
月のあかりが無くなると、急に真っ暗な静けさがやってきた。鎌太郎は、箱座りを決め込んで、寝ようとしている猫たちを撫でながら不動にゆっくりとした口調で言った。
「今さっき帰ってきたところで、また旅に出たとなってはみんなにしめしはつかないだろ?そうだなぁ。。辰五郎親分の顔もたてなくちゃいけないし。それで迎えに行って、その時に誰か良い人がお花ちゃんに出来ているかもしれねえけど、俺はそれでもいいかなと思っているんだ。」
「それ、その相手が俺だったとしても兄弟はそう言えるか?」
不動の問いかけに鎌太郎は黙って首を横に振った。
「そうか。じゃあ誰ならいいんだ?」
「俺以外の奴は嫌だ!」
「言ってることが支離滅裂になってるぞ!」
「この背中に羽があるならば、今すぐにでも飛んで行きたいあなたの元へ。」
「お前は八重垣姫か!」
「俺は見受山の鎌太郎だよ?」
「そんな事はわかっている!けどお前の気持ちがわかったよ。そうだな。またお花ちゃんを迎えに行くのはまだ先かもしれないな。」
真っ暗な空に少しずつ、月のあかりが戻って、ふと見た鎌太郎の顔は随分と悲しそうだった。
ひとまず思い留まる鎌太郎のもとへ、1人の子分がやってきて言う。その内容とは、、、




