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【Δ】World  作者: よーすら
4/6

四幕 力の差

試験は滞りなく進んだ。

滞りなく進んでしまったというべきなのだろうか。

本来、実技試験は複数の試験官がそれぞれ1対1の実戦形式で、戦闘技術や判断力などを見る…というものなのだが、今回は試験官が天満さんただ一人。


「他の試験官を用意するよりも俺一人のほうが早く済みますんで」


と直前に決まったらしい。

しかも一度に複数人を相手にしている。


「215番、上空からの奇襲攻撃に対する防御行動が少し遅い」


「217番は相手の出方を窺いすぎだ」


ただただ凄い。

5人同時に相手をしているだけでも信じられないのだが、的確に受験生の弱点を見抜きアドバイスしている。


「よし、ここまでだ。試験結果は後で張り出されるから本部前の掲示板を見るように」


最低限の戦闘で相手の実力を見抜き、それを軽くいなす。

これがストラグルの副隊長の実力なんだと思い知る。


「す、すげぇ…まだ実技試験が始まって1時間もたってないぜ…」


煉がそう言うのも無理はない。

例年なら250人の実技試験をすべて終えるのにかかる時間は2時間と言われている。

現に受験票の予定にもそう書いてある。

にもかかわらず、それをたった一人で1時間足らずで済ませてしまっているのだ。


今年の受験生は逸材ばかり、その逸材たちが全く相手にされず試験を終えていく。

ただただその光景に圧倒される受験生。

当然私や煉もその中の一人だった。


「もうすぐ私たちの出番…」


番号が近づいてくる。

興奮なのか恐怖なのか解らない感情、さっきからずっと心臓の音が頭に響いて鳴りやまない。

奇跡でも何でもいい。私に力を貸して。

そしてどうか、どうか上手くいきますように――今はただ、そう願うことしかできなかった。



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