歴史変えちまい隊、番外編 今井俊哉のこと
次の日、俺は大事をとって、会社を休んだ。いや、休まされた。本当は仕事をしたかったのだが、寿さんに許してもらえなかった。
俺は、ひさびさに眠るのが怖くなり、ずっとテレビを見ていた。
しかし、寝る癖がすっかり身についてしまった俺は、いつの間にか、眠っていた。
俺は見た。
家族団らんの姿を。
俺がいる。
あの子もいる。
そして、息子がいる。
俺には分かった。息子だと、はっきり分かった。
初めてだった。
幸せな予知夢を見たのは、初めてだった。
俺は結局、寿さんが帰宅するまでぐっすりと眠っていた。
その後1週間、俺は会社を休んだが、予知夢を見ることは一度も無かった。
理由は知らない。
でも、俺は解放されたのだ。
「今井、あんたずいぶんと派手にやられたのね。当たり前だけど。」
会社に復帰した俺に、渡部さんは言った。
「それで?再チャレンジしたいんだって?まったく、あんたは妙に義理堅いんだから。まあ、狙いを定めて行くんだったら、もしかすると奇跡が起きちゃうかもしれないけど。アゴ、気をつけるんだよ!あんたからお喋りを取ったら…確実に終わるわよ。」
「はい!気を付けまーす!俺、自信有るんすよー!なんか俺、今日から変わっちゃうと思うんす!幸せ一直線っすよー!」
俺は久しぶりに、時代を遡った。再チャレンジである。
絶対に会える!
俺の予知夢には一片の曇りなーし!