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歴史変えちまい隊、番外編 今井俊哉のこと
「え?ごめん、どこが一番痛いの?」
「ひはうよ、ほれは…へも、たひはに、ひはひ。」
千恵美ちゃんは、俺が立ち上がるのを手伝ってくれた。
「とりあえず、病院に行かなきゃ。アゴが外れてるみたいだし。鼻、折れてないといいね。」
俺は千恵美ちゃんと一緒に病院に行った。
鼻の骨にはヒビが入っていた。
先生は言った。
「今日は喋らない方がいいよ。今入れたけど、君のアゴ、かなり外れ易くなってるから。顔から転んだんだって?歯が折れてなくて良かった。」
俺はアゴを包帯でガッチリ固定され、痛み止めの薬と、至る所にある擦り傷の薬を処方された。
千恵美ちゃんは最後まで付き添ってくれた。
「鼻、折れてなくて良かったね。今日一日、黙って安静にしてれば、すぐに良くなるよ。ガッカリしないで。また、チャンスは有るからさ。」
千恵美ちゃんは俺の肩をポンと叩き、励ましてくれた。
俺は、涙が出てきた。
自分のアホさ加減に、怒りが込み上げ、そして、その怒りが悲しみに変わったのである。
シクシクと泣く俺の隣に、千恵美ちゃんは居てくれた。
時間が来て、俺はスッと元の時代に帰った。