魔法とスキル
「俺の名前はレオン・クラノフ!これからお前たちの訓練教官を務める!名前を呼ぶ時はレオンでもいいぞ」
俺たちは、異世界に召喚された翌日
早速、戦闘の訓練をすることになった。
教官を務めてくれるのは、このリスティア王国の騎士団長であるレオン団長だった。
「まずお前たちは勇者であるが、今のままでは戦場に出てすぐに命を落とす。厳しいことを言うかもしれんが、同じ人間として死者を出したくない。なのでこれから全力でお前たちを鍛えるから安心しろ!」
レオン団長の言葉は、胸にくるものがあった。
他の全員もレオン団長の言葉を聞いて真剣な表情になった。
「それでは、訓練を始める前にお前たちに魔力とスキルについての説明を大まかにするからよく聞いてくれ」
レオン団長は、俺たちに分かりやすく魔力やスキルについて教えてくれた。
魔力とは、全ての生物におけるエネルギーみたいな物。
生物の体には、心臓から血を全身に流すように、魔蔵という器官から魔力が全身に流れている。
魔法を使えば魔力は無くなるが空気中に漂う魔素を吸っていれば回復していく。
魔素とは、その名の通り魔力の素で空気のようにほとんど無限にこの世界に漂っている。
魔素が溜まりそれが1つの塊になることでモンスターが自然に発生する。なので魔素が溜まりやすい洞窟なんかではモンスターが大量に発生したり、強力なモンスターが現れたりする。
魔法は、全身に流れている魔力を練ることで扱うことが出来る。
なので魔力を練る技能に優れているものは、それだけ強力な魔法を扱うことが出来る。
魔力の説明は、ここまでで次はスキルについての説明をされた。
スキルには、大きく分けて
戦闘用スキルと非戦闘用スキルの2つがある。
スキルとは、その人の技能や才能などが大きくでることが多く、自分の力を大きく発揮するための重要な特性である。
戦闘用スキル持ちはあまり多くいなく。
持っていたとしてもある程度の技能がある人だけだ。
戦闘用のスキルなら今後の自分のポジションや戦い方が決まる。
それ程にスキルとは、戦いにおいて重要視される代物と言うことだ。
ここまでがレオン団長から聞いた魔力とスキルについてだった。
「それでは、実際に自分達のステータスを見てもらう。心の中でステータス画面を出すイメージをすれば自分のステータスが分かるようになる。それでは確認して見てくれ。」
俺は、レオン団長の言った通り心の中でステータスを思い浮かべてみた。
すると空中にステータス画面みたいな物が映し出されていた。
【名前】風見蓮 17歳
【種族】人間
【レベル】1
【体力】100
【攻撃力】250
【防御力】172
【魔力】200
【素早さ】126
【知力】64
【技能】言語理解
【スキル】�������
【特殊スキル】�������
「これが俺のステータスか・・・ん?」
俺はステータス画面を見ていくつかのことに疑問を覚えた。
まず、俺のステータスはあまりぱっとしない物だった。
この世界のレベル1の平均がどれ程なのかは知らないがそれでも異世界召喚された勇者は普通の人間より強いと聞いていた。
それなのにこのステータスは、少し弱いような気がする。
そして一番不思議なのはスキル欄の部分だった。
俺のステータスには、スキルの他に特殊スキルという欄があった。
レオン団長が教え忘れていたのかと最初は思った。
だけど俺のステータスのスキルと特殊スキルは、どちらとも書かれてなく、まるでゲームのバグのように元々あった物が消されたようになっていた。
「これは凄いな‼︎」
スキルのことについて考えているとレオン団長が驚きの声を上げていた。
理由は、レオンさんの手に持っているステータスシートにあり、そのステータスシートは光雅のものだった。
【名前】上聖光雅 17歳
【種族】人間
【レベル】1
【体力】1000
【攻撃力】980
【防御力】870
【魔力】1000
【素早さ】760
【知力】120
【技能】技能:全属性適性・全属性耐性・物理耐性・合成魔法・剣術・先読・高速魔力回復・気配察知・魔力察知・限界突破・言語理解
【スキル】聖剣
「やはり異世界から来た者は桁が違うな」
確かにそうだ光雅のステータスは俺と比較にならない程だった。
しかも俺の技能は、言語理解しかない。
それに比べて光雅には、いかにも勇者のような技能がいくつもあった。
「光雅!お前スキル【聖剣】じゃないか‼︎」
レオン団長は聖剣と書かれた光雅のスキルを見て驚いていた。
「このスキルがどうかしたんですか?」
光雅は、自分のスキルが何なのかわからずステータスシートをじっと見ているレオン団長に聞いた。
「このスキルは、ここに書かれている通り聖剣を出すことのできるスキルだ」
レオン団長は光雅が質問してきたので、【聖剣】というスキルについて話し始めた。
「歴史書によれば昔の勇者が使っていたスキルもこの【聖剣】で、魔王に致命者を与えることのできた剣だ」
それを聞いてクラスのみんなが騒ついた。
しかし、光雅なら納得という奴が多く少し経てば、その騒つきは直った。
それでも心の中では、まだ驚いている奴が多く見える。
「これは、とんでもない逸材が出たな」
レオン団長は、光雅を見て期待の眼差しを送っていた。
それから他のみんなもレオン団長にステータスシートを渡した。
目立った生徒は、光雅の他に3人。
2人は、学校でいつも光雅達といた
神谷雄二
天道沙耶香
そしてもう1人は、学校のアイドルで俺の幼馴染の
天央紗雪だった。
この3人も光雅に匹敵する程の強さを持っていた。
他の奴らもステータスの値が500前後の上に全員が戦闘用スキルを持っていた。
「後は、風見蓮お前だけだな」
あれ俺だけ他の人と比べてステータス値低くない?
それにスキルも無いし。
そんな疑問を抱え俺は、ステータスシートをレオン団長に渡した。
「・・・・ん⁉︎」
思った通りレオン団長は、俺のステータスシートを見て頭の上に⁉︎マークを浮かべて何度も見返していた。
「あー、えっと、まあ、頑張れよ」
レオン団長は、慰めの言葉を言ってきた。
そして俺のステータスシートをみんなと同じように台に置いた。
みんながそれを見ている。
女子は、残念だねみたいな顔をし、
男子は、ザマァ見ろみたいな顔を浮かべていた。
男子は、いつもの恨みがあったからそういった顔をしていたのだろう。
しかし佐良達の顔は、面白いおもちゃを見つけた子供のようだがそれでいて悪魔のような笑みを俺に向けて浮かべていた。
ステータスの?部分はバグを表しています。