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魔王の存在

「混乱されていると思いますので、私が一から説明致します。」


 少しの時間が経ち落ち着きを取り戻した俺たちは、周りにいた兵士たちに連れられて大きな広間にある席に座った。


 それから話を切り出してきたのは、

 自分達を歓迎していた男性の横に立っていた冷静沈着そうな男性だった。


 男性は、まだ俺たちが落ち着いたばかりなので少しの自己紹介をして、俺たちがなんでこんな状況になっているのかを詳しく話してくれた。

 

 男性は、この国の参謀であるルーファス・ファヨルドと言い、先ほど俺たちを歓迎してきた男性はこの国の王であるギエル・リスティア王だった。

 自己紹介はここまでで、


 説明の内容はこうだった。


 この世界の名前はメディファーク。


 この世界には、種族ごとの大陸があり此処は人間が生活する大陸である。

 この大陸には4つの王国が存在していて、此処はその1つであるリスティア王国である。


 他には、獣人大陸、妖人大陸、竜人大陸など様々な種族と大陸があり、

 そして最後にこの世界で最も凶悪で凶人な魔族が生息する魔人大陸がある。


 現在、この大陸はその魔人達に攻められている。


 魔人達は、今から数百年前にこの世界を征服しようと全ての大陸を血の海に変えた歴史があり、その時は、俺たちのように勇者を召喚して魔王を倒したらしい。


 だが倒したと思っていた魔王は相当な深傷であったが生きていた。

 数百年の間、魔王は自分の身体を再生するために長い眠りについていたのだ。


 そして数年前、その魔王が長い眠りから復活した。

 魔王は、復活してすぐに我々人間を攻めにきた。


 魔人は、個々の戦闘能力が高く、特に魔力量が高い種族なので魔法の威力や精度が驚異的である。


 だから数百年前と同じで魔王を倒すために俺たち勇者を召喚した。


 これが俺たちをこの世界に召喚した理由らしい。


「あの、質問いいですか?」

 説明を聞き終えてまず始めに質問しだしたのはクラスのリーダーである光雅だった。


「はい、何でしょうか?」

「話の途中で出てきた魔法って俺たちも使えるんですか?」


 光雅は、この世界の住人じゃない俺たちに魔法は使えるのかと聞いた。


「もちろん使えます。それに歴史書によれば勇者として召喚されたものは高い魔力量や特別なスキルを持っています。」


 なるほど、つまりは異世界に召喚された時の特典みたいなものか。


「それがあれば魔王に勝てるんですね。」

「皆さんが力をつけて人間全員で戦えば必ず勝てるでしょう。」

「わかりました。住んでた世界は違いますが同じ人間として全力で戦います!」

「みんなも一緒に魔族を倒すぞ!」


 うわぁ、

 さすが困っている人は見過ごせないタイプのクラスのリーダーだな。

 それにつられて男子は、

「光雅がやるんだったら俺たちもやるぜ」

 とか言い出してるし、

 女子なんかヒーロー光雅のイケメンさに目を輝かしている。

 これじゃあ強制的に全員戦うことになるな。


「ありがとうございます。これで我が国に平和が訪れるでしょう。」


 こうして、この日は俺たち用に2人部屋を用意されそこで休息をとることになった。


 だが、このクラスの男子の人数は19人。

 なので1人だけの部屋ができる。


 そして、その1人部屋は俺になった。


「まぁ、友達のいない俺がハブられるのが普通だよな」


 俺は、いつも1人だったのであまり気にせずベッド

に寝転がって休んでいた。


 コンコン、

 寝ていた俺は、扉のノック音で目を覚ました。

 誰だこんな時間に?

 こっちの世界での時間の読み方は分からないが多分夜中の11時頃だと思う。

 こんな夜中なのでこの城の人かと思い扉を開けた。


「こんばんは、蓮くん」

 部屋を訪ねてきたのは城の人ではなくユキだった。


「どうしたんだユキ?こんな遅くに」

「あまり寝付けなかったから、話でもしようと思って」


 ユキは、昔ベットに着いたらすぐに寝ていた。

 そんなユキが寝れないのだからだぶん今日のことでまだ不安なんだろう。


「とりあえず入れよ。外じゃあ風邪引くだろ」

 そう言って俺は、ユキを部屋に入れて話をした。


 少しの間話をしたが

 やっぱりユキは、今日のことが不安だったと話していた。


 そうだよな、

 いきなり連れてこられて勇者と言われてもそりゃあ混乱するさ。

 だから俺は、ユキが不安にならないように幼馴染として話を最後まで聞いてあげた。


「蓮君と話してたらなんだか落ち着いたよ」

「そうか、なら良かった」

「ありがとう蓮君。そろそろ帰るね」


 ユキは、スッキリしたのか笑顔になって帰って行った。


 俺も最初は、不安であまり乗り気でなかったけどユキと話して不安が解けた。


「俺も頑張るか」

 俺は、同じ毎日が退屈だった。

 だからこんな世界も悪くないと思えてきていた。


「明日は、確か俺の魔力量やスキルが分かるんだったな」


 明日は、訓練をすると聞いた。

 訓練では、自分に備わった魔力やスキルで戦う訓練をするらしい。

 なので俺は、しっかりと体を休めるために眠りについた。


「明日が楽しみだな。」


 俺は、魔力やスキルで明日を楽しみにしているが

 明日からが俺にとって最悪な日になるのをまだ知らなかった。

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