ヨルムダンジョン
今回は、主人公が追放されたあとの勇者達の話です。
「到着したぞ!ここがミクトラン王国中央都市【ガーラ】だ!」
レオン団長の到着の合図で全員が止まった。
風見蓮を除く異世界召喚された勇者一行はレオン団長と騎士団数名とで、ミクトラン王国の最も大きな都市であるガーラに来ていた。
「ここがミクトラン王国か、すごい人の量だな」
勇者一行のリーダーである光雅は、周りで大通りを行き来するたくさんの人を見て驚いていた。
「そうだろうな、ガーラはダンジョンの管理を任されているから冒険者が数多くいるし、冒険者に物を売りに来る商人もたくさんいる」
大勢の人を見て驚いているとレオン団長が説明してくれた。
確かに、周りを行き来している人たちは、鎧と大剣を身につけたガタイのいい男、片手に丸い水晶のような物が嵌め込まれている杖を持ち、帽子にローブを着た女の人などたくさんの冒険者達だった。
「まずは、お前たちも冒険者登録をしにギルドへ行くぞ」
レオン団長は、そう言うと冒険者ギルドに向かって歩いた。
光雅たちは、これからミクトラン王国にある中級ダンジョンである【ヨルムダンジョン】に潜って実戦経験をするためにここへ来ていた。
まず、ダンジョンに入るためには冒険者登録をする必要があるので全員レオン団長について行き冒険者登録を済ませた。
「全員冒険者登録を済ませたな」
最後の一人が冒険者登録をし終わりレオン団長も確認して来た。
「はい、レオン団長全員の冒険者登録ができました」
光雅が前に出て全員の冒険者登録完了を伝えた。
それを聞いたレオン団長も全員の顔を右からゆっくりと見て行き真剣な表情になり話し出した。
「よし!それじゃあ早速ヨルムダンジョンに向かう!」
レオン団長から、ヨルムダンジョンに行くことを伝えられて光雅たちも真剣な表情になった。
「お前たちも腕を上げたが実戦では何が起こるかわからない。気を引き締めて、どんな状況でも冷静に判断して挑むように!」
レオン団長の言葉により、全員が気を引き締めていた。
そして、冒険者ギルドから歩いて数分、ヨルムダンジョンの入り口に着いた。
ダンジョンの入り口は、頑丈そうな石でできた大きなゲートのようになっていて、中に入ると大きな部屋のような広い空間があった。
しかし、大きな部屋の向こうには薄緑に光っている縦横の幅7,8メートルほどの通路があった。
「あそこからがダンジョンの中ということか」
「そうだろうな」
「ちょっと気味が悪いところね」
光雅と雄二と沙耶香は3人ともダンジョンの通路を見て気味の悪さを感じていた。
「みんな、一緒に頑張ろうね」
ダンジョンの気味の悪さから少し緊張していたが3人の後ろにいた紗雪が笑顔でそう言ってきた。
「ああ、そうだな」
紗雪のおかげで、光雅たちも緊張が解けたのか表情が戻り通路を目指して歩き出した。
先頭は、レオン団長と2名の騎士団員。
それに続き光雅・紗雪・雄二・沙耶香のように4人1組のチームを作って最後尾に残りの騎士団員が着くようにしてダンジョンに入った。
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次回は、これの続きを書きます。