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ゾォルツの武具店

「蓮、最初はどこに行く」


 今、俺とアリスは獣人大陸にある〈ネグジェ〉という街に主に必要品などを買うために来ている。


「そうだな・・・」


 今日俺が揃えておきたいものは、冒険者をするにあたって必要な武器と防具だ。


 今、俺が使っているのは城で訓練用に渡されていたロングソードと、プロテクトアーマーだった。

 訓練用なのでロングソードは、切れ味が良くも悪くもといったところで、プロテクトアーマーに至っては少しヒビが入っていた。


 なので、良い武具店を探して変えの武具を用意しようと思っている。


 他には、これから冒険者の活動をしていく上で重症を負うことがある。

 そんな時は回復魔法を使えば大抵は大丈夫だが、俺たちは、回復魔法の適正を持っていない。

 なので、回復ポーションや、状態異常を回復させるポーションなどは必須アイテムなのだ。


 その他にも、買わないといけない物もあるがとりあえず大きな買い物といえばこの2つだった。


「それじゃあ、まずは武具店を探しに行くか」


 俺は、まず最初に武具店を探しに行くことにした。




「どういう事だよ・・・」


 俺たちは、周りにいる獣人達に武具店がある場所を聞きその場所に着いて辺りを見回した。

 すると、どこもかしこもが武具店だった。


「なんでこんなに武具店があるんだよ!」


 武具店は、数えただけでも軽く10を超えていて、

 なんなら今から祭りでもあるんじゃないかと思わせるように屋台感覚で武具店が並んでいた。


 こんなに武具店があるとどこを選んで良いのか凄く困る。


「ねぇ、蓮」


 俺がどの武具店にするか迷っているとアリスに呼び掛けられた。


「あの武具店にしよう」


 そう言ってアリスは、この祭りの屋台のように並んでいる武具店ではなく。


 ぽつんと1つだけ日陰の場所に建てられている武具店を選んだ。


「あそこにするのか?」


 俺は、アリスに本当にここが良いのかと聞いた。

 アリスの選んだ武具店は、あまり客が来てなさそうな場所だった。


「うん。あの武具店にする」


 俺は、どうせ迷ってばかりで決めていなかったのでアリスの意見を聞くことにした。


「じゃあ、あの武具店にするか」


 ガチャッ、キーーーッ


 木でできた扉を開くと中には、いろんな種類の武器と防具が置かれていた。


「いらっしゃい」


 奥のカウンターから声がしたのでそちらに視線を向けると気難しそうな顔つきの老人が1人だけいた。


 俺とアリスは、その老人に少し頭を下げて早速武器と防具を探し始めることにした。


 だが正直に言ってどれが良いのかがあまりわからなかった。

 いくつかの片手剣などを手にとって見たけどどれがどう違うのかがそこまで分からず時間が経つだけだった。


「何か探してるのか?」


 中々選ぶことが出来ずにいた俺に声をかけて来たのは先ほどカウンターにいた老人だった。


「えっと、片手剣と防具が欲しいですけど中々決まらなくて」

「それなら、こっちに来な」


 老人は、そう言って歩き出した。

 とりあえず、俺たちもついて行き、老人が止まったところで俺たちも止まった。


 老人は、片手剣がいくつも置いてある場所を見てそこから一本の剣を俺に渡して来た。


「持って、構えてみな」

「・・・はい」


 俺は、老人に渡された剣を強く握り構えの姿勢をとった。

 すると、分かったことがある。

 それは、凄くこの剣が使いやすい感じがしたという事だ。なんとなくといった感じだけどこの剣は俺の手に凄く馴染む感覚があった。


「どうだ、何か感じるだろ」


 その剣についていろいろと考えていると老人が聞いてきた。


「ああ、この剣は何故か凄く馴染む」

「そいつはな、お前の体格と力量がこの剣にあっているからだ」


 老人は、この剣と俺の体格と力量があっているからと言ってきた。


「なんでそんな事が分かるんだ?」


 俺は、老人が言っていることが本当なら何故そんな事がわからるのかを聞いてみた。


「俺はな、相手の力量が分かるんだよ」


 老人は、相手の力量が分かると言ってきた。


 老人は、元々名のある冒険者だった。


 冒険者の活動をしている時、何人もの強い敵や人を見ていると相手の力量がどれほどのものかが分かるようになり、今は冒険者を引退して一人で武具店をしているらしい。


「そうだったんですか」


 俺も、冒険者として強くなったら相手の力量とか測れるようになるのかな?と思いながら話の内容に耳を傾けていた。


「まぁ、そんな訳でわしにはお主の力量が分かるわけじゃが、お主相当な手練れじゃな」


 俺は、老人に言われたことで「そうなのか?」と思った。

 無能扱いされてた俺は、いきなりステータスが格段に上がったところで自分が強くなったという感覚があまりわからなかった。


「俺って強いんですか?」

「今はまだその力も眠ってるようじゃが、わしにはお主が相当な強者になれると思っておるぞ」


 俺は、その話を聞いて少し自信が出てきた。


 それから老人は自分の名前をゾォルツ・リオスと名乗って、話をしてきた。


「そういえば、その剣買うのか?」


 俺は、ゾォルツさんに剣のことについて言われたので思い出した。


「あっ!買います」


 そして、俺は片手剣と防具を買って店を出ることにした。


「今日は、いろいろとありがとう」


「礼なんかいらねえよ。わしも久しぶりに今後が楽しみな奴に会えて嬉しかったからな。」


「そうか、じゃあとにかくまた来るよ」


「ああ、この店じゃあ鍛冶も引き受けてるからいい素材が入ったら持って来なよ」


 俺は、ゾォルツに挨拶をしての店を出た。


「次は、ポーションを買いに行くか」


 俺は、次の買い物に向かうことにした。


 それから、後で気づいたがアリスは、話の途中でつまらなくなり店から出ていた。

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