表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
如月君の世界征服  作者: 佐田やすひ
1/3

プロローグ

神様は退屈しました。

せっかく作った人間の世界も、最近は全然面白くありません。

ずる賢い人間、欲張りな人間、無気力な人間、無関心な人間、くだらない人間・・・

そう、くだらない人間ばかりで、おもしろい人間がほとんどいなくなってしまったのです。

神様は、ましな人間だけを残して、大洪水を起こして世界を新しくしようかと思いましたが、前に一度やって後悔したのでやめました。

神様がどこかにおもしろそうな人間はいないか、と下を見下ろすと、ちょうどもうすぐ死ぬ運命の人間が目に留まりました。

その人間は子供で、病気でした。

もうすぐ死ぬことがわかると、子供は死ぬまでにしたいことをノートに書き出しました。

どれも子供らしい、ありきたりなことでした。

でもその中に、貧しい人々一万人に食料を配る、というのがありました。

子供の親はそのことをインターネットで拡散し、多くの寄付とボランティアが集まりました。

結果、三万人を超える貧しい人々が食料をもらえました。

中にはそれに勇気づけられ、更生する人たちが出ました。

神様は、これだ!と思いました。

人々の心を動かしたものは何か。

それは子供の、分け隔てない、愛か。


いいや違う。

なぜなら、子供に死ぬ運命がなければ、そのようなことは起こりえなかったからです。

子供にその運命がなければ、子供はノートに落書きでもしていたでしょうし、親は拡散しなかったでしょうし、もし書いたとしても、人々は子供の戯言だと笑ったでしょう。

そう、死が、死が少年を動かし、多くの人々の良心を奮起させたのです。


さっそく神様は考え始めました。

どうすれば人間たちは自分たちの命を賭して世界を変えるか―――

そして神様は思いつきました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ