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前世の記憶?厨二ノート?無駄に派手な異世界冒険譚!  作者:
【第1章】覚醒・旅立ちの時

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【4.5話】幕間/名も無き違和感

中年冒険者――ヴァルド・グレイハルトは、森の手前で足を止めた。


踏み荒らされた地面。

へし折れた木々。

そして、妙に静かな空気。


(……やっぱり、妙だ)


被害の規模だけ見れば、確かに厄介な相手だ。

だが、いくつか引っかかる点がある。


「血が少なすぎる」


独り言のように呟く。


通常、この規模なら――

逃げた跡、争った跡、引きずった痕。

何かしらが残る。


だが、ここには“終わった後”しかない。


(まるで――)


一瞬、嫌な想像が脳裏をよぎる。


(……一撃、か?)


馬鹿げている。

この周辺に、そんな火力を持つ冒険者はいない。

ましてや、村人に紛れているはずもない。


「考えすぎだな」


そう自分に言い聞かせ、首を振る。


だが。


村で見かけた、あの少年。

薬草籠を抱え、目立たないように歩いていた子ども。


冒険者でもない。

魔力の気配も、ほとんど感じなかった。


――それなのに。


(……視線を向けた時、何かが“隠れた”気がした)


気のせいだ。

そう片付けるには、引っかかりが強すぎる。


「ヴァルドさん?」


相棒のエリオの声で、我に返る。


「どうしました?」

「いや……何でもない」


森を見据え、ヴァルドは低く息を吐いた。


「ただ、今回は“魔物退治”だけで終わらない気がしてな」


「大げさですよ」


軽く笑う相棒の背中を見ながら、心の中で呟く。


(頼むから――)


(この違和感が、勘違いであってくれ)


ギルドの経験則が、静かに告げていた。


本当に危険なのは、

強い魔物でも、派手な被害でもない。


――まだ名を持たない力だと。


「……ま、考えても腹は減る」

ヴァルドがそう言って歩き出す。


「ですよね。村の飯、悪くなさそうですし」

「調査の続きは明日でいい」

二人は並んで、何事もなかったように村の方へ戻っていった。

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