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【1.5話】幕間/リュカ・エルフェイン
トウマは、いつも自分の足元ばかり見ている。
薬草の葉の色や形を確かめる、その横顔は真剣で――
正直、私は嫌いじゃない。
村の大人たちは、よく言う。
「才能がない」「冒険者には向かない」って。
……でも、私にはよく分からない。
確かに、魔法なら私の方が使える。
森の危険にも、私の方が早く気づける。
でも、それが何だというのだろう。
トウマは、毎日森に入る。
逃げずに、投げ出さずに、地味な薬草採取を続けている。
それだけで――十分すぎるほどだと思う。
(差がある、なんて)
そんなこと、考えたこともなかった。
だって私は、
一緒に歩きたいから、ここにいるだけなのだから。
トウマが立ち止まれば、私も止まる。
危なければ、前に出る。
それでいい。
それ以上の理由なんて、いらない。




