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朽津間ビル25階3号室  作者: 結城 からく


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第94話 暴発

 イリエがカッターナイフを強く握り込み、上原の喉に押し込もうとする。

 しかし沢田がイリエを蹴り飛ばして妨害した。

 転倒したイリエは文句を言う。


「じゃ、邪魔しないでよ!?」


「うるせえな! やらせねえって言ったろうが!」


 沢田は馬乗りになってイリエを殴りつける。

 イリエが必死に抵抗するも、彼は容赦なく滅多打ちにした。

 拳の皮がめくれて出血しても攻撃を止めない。


「痛い! 痛い! やめてっ!」


「クソが! 黙れ! 死ね!」


 返り血を浴びながら、沢田は執拗に拳を振り下ろす。

 血と涙を流すイリエは、頭を抱えて耐えることしかできなかった。


 一方、笑うマナカが拳銃を上原に向けた。

 引き金が引かれる直前、松本がマナカの髪を鷲掴みにして投げ飛ばした。


「うわああぁっ!?」


 壁を突き破ったマナカは床を転がり吐血する。

 そこに追撃を目論む松本が大股で迫る。

 マナカに触れようとした松本に、背後からヒヨリが襲いかかった。


「マナカに乱暴しないでっ」


 フルスイングの警棒が松本の後頭部を捉える。

 松本の頭が揺れて多量の血が流れ出した。


 ヒヨリは何度か殴りつけた後、背中によじ登って耳に噛み千切る。

 それでも松本は止まらず、咆哮を上げてマナカに腕を伸ばした。


 倒れるマナカは息も絶え絶えに拳銃を発砲した。

 弾丸は松本の頬と腹、太腿に命中した。


「ぐっ」


 僅かに呻いた松本だが、やはり動きを止めることはなかった。

 彼は背中にしがみ付いたヒヨリを引き剥がすとその頭部を掴み、渾身の力でマナカに叩き付けた。


 マナカとヒヨリの顔面が衝突し、一瞬で潰れて混ざり合った。

 頭部は二人で一人分のサイズとなり、床ごと粉砕して飛散する。


 痙攣するマナカの手が、最期の力で引き金を引いた。

 銃声が鳴り響き、松本の眼球が破裂する。

 弾丸は後頭部を破裂させる形で貫通していた。


「……っ」


 松本は虚ろな目で膝をつき、その場に崩れ落ちる。

 溢れ出す血液で視界が染まる中、彼はライターと葉巻を取り出した。

 朦朧とした意識でそれらを眺めながら、松本の意識は闇に沈んだ。


 マナカの拳銃が再び弾を放った。

 今度は車椅子で静観するコレクターの胸に命中した。


「おやっ」


 コレクターは意外そうに声を発する。

 彼はマナカとヒヨリの死体を一瞥し、ぐったりと上体を傾けて動かなくなった。

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