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友達の恋路より自分の恋路  作者: 田中 一
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 翌日、いつも通り、ホームルームの30分前に登校した敏則は席についてすぐ仮眠をとっていたが教室が少しざわついたことにより目を覚ます。


(なんだ?もうホームルームか?)


 しかし予鈴が鳴ればそれを聞いて起きるはずなので顔を動かさず教室内に耳を澄ます。


「おい、あの子誰だ?」

「わかんね、うちのクラスではないことはわかるが」

「綺麗な髪~サラサラで羨ましい…」

「誰か探しに来たのかな?」


 どうやら別クラスの誰かが教室にやってきたらしいが、敏則は自分には関係ないと断定し再び睡眠を始めようとして、頭の上をペーパーで軽く叩かれる。


「あ?」

「あ?じゃないわよ、随分と寝起きが悪いのね?」


 そこにいたのは篠原だった、当然のように小林が隣にいる。


「俺の眠りを妨げる者よ、なんのようだ?」

「なんのようだ?じゃないわよ、三枝さんに図書委員変わる事について許可を取りに来たのよ」

「あ~、あんね」

「忘れてたでしょ」

「いや、勝手にやってくれると思ってた」

「筋が通らないでしょそれじゃ」

「そういうもんか」

「そういうもん」

「あはは、二人とも仲良くなったね?」

「「いや?」」


 どうやら図書委員の期間を交換することについて三枝さんにお願いする際に俺も必要だったらしい、俺の睡眠時間……と多少思うところもないが、こちらとしても好感してくれた方が助かるのは間違いないので協力する。


「じゃあ三枝さんのところ行くわよ」

「わかったよ」

「あ、私は康君きたからそっち行ってるね」

「………」


 あ、篠原が康太を若干睨んでるな…まぁ言いたいことはわかるが諦めたらどうだ…?とも思う


「三枝さん、ちょっといいか?」

「何?昨日の文句でも言いに来たの?」

「そら一言二言はあったんだが今はそんなのどうでもよくてな」

「は?どうでも良い…?まぁいいわ。用件は手短によろしくね、そっちの女の子と関係ある感じ?」

「そうだ、こっちは篠原といってな、別のクラスの図書委員なんだが…」

「篠原…あ!小嶋君と一緒のクラスの…!」

「そうそう。で、三枝さんと放課後当番を変わってくれないかって話になって」

「篠原さんが…?なんで?」

「まぁ見て分かる通り私と藤沢は友達なのよ。で、ちょっと昨日面倒くさい図書委員の仕事に巻き込まれたから助けてくれって言われてね……だから今週全部手伝ってあげる代わりに」

「あたしと当番の日を変えて欲しいってことね」


 三枝は少し悩むそぶりを見せ、手を口で覆ったが少しニヤついているのが見え隠れしている


「わかったわ、面倒毎は嫌だし、藤沢も細かそうで面倒だし!」

(こいつまじで嫌いかもしれない…)


 細かく嫌味を刻まれた俺は顔を歪め、篠原は少し笑いをこらえながら応える


「交渉成立ね、小嶋君には特に交代の件言っておかないけど当日三枝さんから事情を説明してもらうってことで良いかしら?」

「おっけー!小嶋君からはあたしから言っとく!」

「ありがとう、じゃあ用件は済んだわ、ありがとう」

「あいあい~」


 そういうと三枝は携帯画面に目線を移し、篠原は俺を少し見て頷くと帰って行った


(さりげなくこの今週中に小嶋が接触してこないように三枝に伝言を頼んだな…三枝としても今言うより当日交代したことをいう方が話のタネになって良いという判断なのだろうか…?いや、何も考えてないだけか)


 しかしあまりにもさらっとした要望、俺じゃなくても見逃さないね


「おーい敏則、話終わった?宿題見せてくんない?」

「あ、私も見せてー!!」

「なんでどっちもやってきてないんだよ」


 普通こういうのって片方がやってくるんじゃないんかよ


 ────────

 

 放課後になり図書室に向かう


「監視カメラを見る許可は取ったし、4倍速くらいで画面見ておけば良いか?」


 本を壊した犯人を捜すために確認する監視カメラはお昼の30分と放課後の2時間30分で合計3時間分だ


「まぁ監視カメラ見たところでな気がするんだけど」


 そもそも器物破損レベルの行いであるし、図書委員がここまでやる必要があるのかと問われれば全くではないにしろないに振られるだろう


「とはいえ最低限は動いて納得したいし何より」


 篠原が凄く、それはそれは凄く楽しそうな顔で混ざりに来た昨日を思い出す。


(まぁ、篠原が飽きるまででいいだろ)


 ガララッと敏則が扉を開ける。

 するとこちらを鋭く見ている篠原様のお姿があった


「遅い」

「嘘ですやん、ホームルーム終わって速攻できましたよ???」

「遅刻した男性の言い訳はみっともないよ」

「そもそも時間の約束はしてねぇし、男性って主語を大きくするな!!」

「あそ、じゃあ私より遅くきた藤沢敏則さんの言い訳はみっともないよ?」

「はあぁ…悪うございました」

「ごめんごめん、冗談よ」


 一気に疲れた気がする、俺が悪いんか?


「で、今日はどうするの?」

「昼と放課後分の監視カメラを4倍速で見てみようかと思ってる」

「意味あるのそれ?」

「わからん、ほぼないと思うが…逆に他にやれることあるか?」

「確かに…私達探偵向いてないかもね」

「向いてる奴は見た目が小学生の頃から頭角を現してるよ」

「でも実際には高校生が多くない?」

「言われてみればそうか」


 そんなしょうもない話を昨日篠原が借りるのを忘れていた本を渡しつつ監視カメラの映像確認作業を始める。


「4倍速で見るって言ってたけど何を見るの?」

「人の入りだな、帰る時は本を返しているはずだからもし何かわかるとするなら入りだ」

「ふーん、考えてきたんだね」

「俺はあんだけノリノリだった奴が何も考えてないことに驚いてる」

「家帰ったらどうでもよくなっちゃって」

「適当だなぁ…」

「いいの、今は昨日の半分くらいやる気あるんだから」

「天使のわけまえもびっくりの暴利だな」

「そういうの拾える人少ないわよ?」

「はい……」


 ツッコミに指摘を入れられてしまった、つらい


「あ!今の人!」

「お?なんか見つけたか?」

「いや、格好良いなって」

「知らねぇよ」


 学校に置いてある安物の監視カメラとはいえ顔や服装、荷物ははっきり映っているので確認すること自体は可能なのだが


 


「ていうか篠原ってそういうの興味あったんだな」

「そりゃ花の女子高校生よ?誰だって興味くらいあるでしょ」

「なるほどねぇ」

「なに?あんただって恋愛に興味くらいあるでしょ」

「そりゃ盛りの男子高校生ですからねぇ、でも康太がどうなるかの方が今は興味あるね」

「はぁ?あんなのどうあがいたって後1、2週間で付き合うでしょう」

「くっつけるけどくっついてないこの時間を楽しめるのは今だけじゃないか」


 篠原は「なんだこいつ…」という目でこちらを見ていたが、監視カメラの方に目を戻す

 そしてそのまま2時間が経過し、閉館時間になってしまった。

 鍵を閉め、職員室に向かいながら篠原が口を開く


「なんか図書委員がこういうこと言うのも申し訳ないんだけどさ」

「うん」

「意外と図書室を利用する人って多いのね」

「分かる。まさか1日平均30人前後とは思わなんだ」

 

 ビデオを4倍速で流しており、人の入りがあったタイミングで当倍に戻すという作業を繰り返していたが、入りだけでも結構な数だったため、想定より確認が遅れてしまっている。

 入学式からGW前までのため、日数はそこまで多くないがそれでも2時間のなかで業務対応もしながら行うには限界があるように感じた。


「まぁ早いうちに諦めるか犯人が見つかると良いな」

「そうだね、まぁもう少しは頑張ろうかな。私御手洗い行ってくるから鍵返しに行っちゃって良いよ」

「了解」


 この時間の職員室は時々時間がかかる、先生たちが休憩がてらなのか知らないが話しかけてきて拘束されるときがあるのだ


「早く帰りたいんだけどなぁ」


 失礼しますと入室してから鍵を返却、どの先生とも目を合わせないようにしてさっさと職員室を飛び出すことに成功した


(よし、うまくいったみたいで良かった…ほな帰りますかねぇ)

 

「あ、やっべ」


 下駄箱に向かう際中、宿題がある教科を置き勉してしまっていることに気づいた敏則は急いで回収に向かうことにした

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