8話
退院してから安静期間も終わり晴翔は再び学校へ行くことになった。
事故のあった校舎は使い物にならない状態なので生徒達は学校側が指定した高校へ一時預かってもらう事となった。
晴翔も同様に今日から別の高校へ行くことに。
先生「はぁ〜い皆んなおはよう〜」
「席座れ〜」
「皆んなも知ってると思うが校舎倒壊事故のあった高校の生徒が今日からくることになったから皆んな仲良くしてくれ〜」
「じゃ自己紹介して」
晴翔「蒼穹晴翔です」
「よろしくお願いします」
生徒「よろしくーー」
先生「じゃ席はあそこに座ってもらうかな」
「回禄席案内してやってくれ」
「よ〜しホームルーム始めるぞ〜」
晴翔「隣失礼します」
麗焔「回禄麗焔 よろしく」
晴翔「あ、よろしく」
隣の席は回禄麗焔という名の男子生徒。
名前が女の子ぽい事は触れないとして、なんだか友達作るの苦手そうな無口な人だった。
一応挨拶してくれたけど…それからは何も話してくれなくなった。
クラスの生徒は皆心よく受け入れてくれてすぐに溶け込む事はできた。
前の高校は先輩とのいざこざもあって嫌いになってたけど、ここはなんだか居心地がいい。
そして何事もなく1日が終わり放課後に。
晴翔が帰ろうとした時、麗焔が口を開いた。
麗焔「怪我はもういいのか?」
晴翔「ん?」
麗焔「死んだかと思ってたよ」
晴翔「なんの話をしてるの?」
麗焔「…」
そう言って麗焔は席を立ち教室を出て行ってしまった。
晴翔「お、おい!」
追いかける様に晴翔も教室を出るとそこには
???「きゃ!」
晴翔「おぉっとごめんなさい」
「って夏帆じゃん」
夏帆「いてて…」
「え?」
「晴ちゃん??」
「なんでここにいるの?」
ここは幼馴染の夏帆が通う高校でもあった様だ。
夏帆「えーーーーーー!!」
「そうだったの!!」
「偶然?なのかな?」
「でもなんか嬉しい」
「ふふ」
晴翔「そうだな」
「ここだったんだな通ってたの」
「ま、とりあえずよろしく」
「クラスは?」
夏帆「私は1番端にある教室だよ」
「え?じゃ〜せっかくだし一緒に帰ろ?」
「荷物持ってくるからちょっと待ってて〜!」
晴翔「お、おぉ」
「こんなアニメやドラマみたいな展開ってあるのね」
そして2人は一緒に下校することに。
すると夏帆が過去の話をしてきた。
夏帆「ね〜晴ちゃん」
「覚えてる?」
晴翔「何を?」
夏帆「昔、小学生の頃」
「私、寂しがりやで怖がりだったから1人で学校来れなかったし、お母さんと離れられなくて一緒に教室に残ってもらってたじゃない??」
晴翔「そうだったけか?」
夏帆「うん」
「でもある日お母さんがどうしてもその日は一緒にいられないってなって、私大泣きしてホームルーム始められなかったの」
「先生は帰ってもいいよって言ってだけどお母さんはそれを許さなくて…」
「でもその時晴ちゃんが私の手を引いて『僕が守ってあげるから』って」
晴翔「恥ずかしい…」
「何から守るんだよ」
夏帆「ふふ」
「でもね、すごい嬉しかったし、晴ちゃんのその言葉のお陰ですごい気が楽になった気がするんだ」
「困ったら晴ちゃんがいるからって思えたら段々1人で学校も行ける様になったし」
「すごい感謝してる」
「ありがとうね晴ちゃん」
晴翔「俺はただただ恥ずかしいだけだよ…」
「黒すぎる歴史だ」
夏帆「まぁまぁ」
「はぁ〜あ、今となっては『なんだ夏帆か』とか言われるし、昔は優しかったなぁ〜」
晴翔『その時恥ずかしくて夏帆の方をあんまり見れなかった少し顔が赤くなっていた様な気が…いや、夕焼けでそう見えただけか』
「この歳になったら余計そんな事言わないだろ、恥ずかしい」
夏帆「えーーー」
「さみしいなぁ〜」
晴翔「あ〜も〜!うるさい!うるさい!」
「早く帰るぞ」
夏帆「こんな日がずっと続けばいいのにね」
晴翔「そうだね」
しかし、こんな平和がずっと続くとはなかった。
再び魔の手は晴翔の近くまで近づいていた。
暗闇の中で響く不気味な声。
???「さぁ時はきた」
「長い事この時を待っていた」
「いよいよこの世界の壊滅だ」
ここまでお読みいただきまして、誠にありがとうございます。
文章構成力不足でうまく読み取れない部分があるかと思いますが、暖かく見守って頂けますと幸いです。
ゆっくり投稿していきますので気長にお待ちください。