6話
それから数日が経ち部屋を移動し、一般病室に変わり面談も解除された。
看護師「廊下は走らないでくださーーい!」
扉の向こうから看護師の声とそれを無視して走ってくる音が聞こえ僕の病室の扉が勢いよく開いた。
ガラガラ!!
母「晴翔!!!!!」
そこには息を荒げた両親が立っていた。
扉を開けるやいなや母がズケズケと病室に入って来てこれまたすごい崩れた泣き顔で晴翔に抱きついた。
母「晴翔ーーーーーーーーー!!!!」
「良かったよーー!!!」
「本当に良かった!!!」
「もう心配させないでって言ったのに!!!」
晴翔「心配かけてごめん…」
母の力の入ったハグは少し痛く、でも何処か優しさも感じられた。
少し遅れて父もやってきた
父「無事で良かったよ」
晴翔「うん、ありがと」
母「2度も事故に巻き込まれるなんて…本当に」
2人はしばらく終始涙を浮かべながら、家族の再会とたわいもない会話をして面会は終わった。
面会後晴翔は1人自身に何が起きたのか必死に整理していた。
脳裏に浮かんだイメージ、悪魔族の存在、そして自身に宿っていると言う力の存在
厨二病な晴翔は夢にも見た出来事に胸踊らせる半面、恐怖もあった。
2度も死にかけ、死者も出してしまっている。
そんなこんな考え込んでいるうちに気がつけば退院日をむかえた。
目を覚ましてからの回復が予想より早かったらしい。
晴翔「さぁどうしようか…」
川っぷちでしゃがみ込む晴翔。
晴翔「力…少し意識したら少し感じ取れるようになった」
「きっと覚醒したから認知しやすくなったんだろ」
「それからこれも」
ポッケから取り出したのは一つの指輪とメモが書かれた紙切れ。
晴翔「これは君の力を発動、制御してくれるものだよ〜 尾城藺より」
「これは〜ちょっとかっこいいかな」
「使うか使わないかは別としてかっこいいからつけとくか」
???「ピピピ」
「システム起動」
唐突に頭に響く声
淡々と喋りかけてくる。
晴翔「な、なんだ?」
???「小型詠唱シークエンス補助リング」
「網膜認証 リングを眼の高さに固定して下さい」
「網膜認証完了」
「蒼穹晴翔」
「使用許諾確認」
「適正ユーザーです」
「ロックを解除します」
晴翔「お、おぉ〜」
「どーゆー仕組みになってるんだ」
アイ「初めまして」
「私はアイです」
晴翔「よ、よろしくお願いいたします」
アイ「小型詠唱シークエンス補助リングの使用方法を説明いたします」
「よろしいですか?」
晴翔「あ、は、はい」
アイ「詠唱シークエンス補助リングは、血圧・心拍数他、身体の健康状態を計測しつつ、詠唱時に必要最低限の血を摂取し、力のコントロールを補助する役割が与えられています」
「着用したリングの腹の部分を押し込むことで特殊な針で血液を採取、リング内に刻印された陣に血液を流し込み、リング上部にある突起を押し込む事で作動します」
晴翔「へー画期的」
「魔法とテクノロジーの融合って感じでかっこいいわぁ」
「…」
「誰もいないし…ちょっとだけ…」
「なぁーに実際に使えるかどうか確かめるだけよ」
「うんうん」
「えーと…腹を押し込むと」
アイ「詠唱シークエンス起動」
「現在の血圧、心拍数共に正常値」
「身体への負荷最小限」
晴翔「おぉーかっこいい!」
「えーそしたらここか!」
「変身!」
キュイーーーーーン
晴翔「おぉーーーーーー!!!」
押し込みと同時にリングの周囲に光のラインが浮かび上がり高速で回転し瞬く間に身体全身が光に覆われた。
晴翔「うぉーーーーーー!!!」
ここまでお読みいただきまして、誠にありがとうございます。
文章構成力不足でうまく読み取れない部分があるかと思いますが、暖かく見守って頂けますと幸いです。
ゆっくり投稿していきますので気長にお待ちください。