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デリュージョン・リアリティ -厨二病が現実になった世界-  作者: モヤシクン


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15/18

15話

懶惰「何をごちゃごちゃ喋ってんだ!!!!!」


懶惰の一斉に放たれた斬撃が空を切り裂き、十の軌跡が交差しながら二人に向かって迫る。

風を切る音が耳をつんざき、大気そのものが刃と化したかのような圧迫感が襲いかかった。


懶惰「おいおい!麗焔!」

「何後ろで隠れて休んでんだよ!!」

「助けが来たからって一息ついてんじゃねー!!」

「まだまだ遊び足りねーよー!!」


麗焔「…」


晴翔「よく喋る奴だな」


晴翔の右手が宙に踊ると、黄金に輝く光の槍が五本、彼の周囲に出現した。


晴翔「光槍ライトアロー


それぞれが小さな太陽のように煌めき、敵を貫く意志を宿している。


晴翔「連撃バレッジ!」


晴翔の叫びと共に、光の槍が正面の分身に向かって一直線に放たれる。

しかし懶惰の分身は素早く横に跳躍し、槍をかわしながら逆に斬撃を放ってくる。


懶惰「目で追える直線軌道の攻撃で当たる奴なんかいねーよ!!」


晴翔「くぅ…!」


晴翔の限界を理解した懶惰が不敵に笑う。

光の槍は確かに強力だが、多少の軌道は変えられるが直線にしか飛ばない上、同時に五本までしか生成できない。

十体の分身相手では圧倒的に不利だった。


ガキィン!ガキィン!


光の槍と暗黒の斬撃がぶつかり合い、火花を散らしながら相殺される。

しかし防ぎきれなかった斬撃が晴翔の左肩を掠め、鮮血が舞い踊った。


晴翔「チィ…!」


晴翔は歯を食いしばりながら、次の光槍を生成する。

汗が額を流れ、魔力の消耗が激しさを増していく。


晴翔「麗焔…まだか!」


背後では麗焔が炎の力を練り続けている。

麗焔は深く息を吸い込み、内なる炎の力を身体の芯に集め始める。

力が血管を駆け抜け、心臓で鼓動するたびに増幅されていく。

だが、この技を完成させるには時間が必要だった。

身体から立ち上る熱気が空気を歪ませ、髪が静電気のように舞い上がっていた。

傷だらけになりながらも、決して諦めることなく力を蓄積し続ける。


麗焔「もう少し堪えろ」


麗焔の唇が小さく動く。

内なる炎が臨界点に達しようとしていた。

一方の晴翔は、絶え間ない攻撃に疲弊し始めていた。

力の枯渇が脳を直撃し、世界がぐらりと傾く。


晴翔「うっ...」


その一瞬のふらつきを、懶惰は見逃さなかった。


懶惰「雑魚が!!」


十体の分身が同時に跳躍し、まるで黒い津波のように晴翔に襲いかかる。

刃の雨が降り注ぎ、死神の鎌が二人の命を刈り取ろうとしたその時—


業火大結界インフェルノ・ドーム


麗焔の小さく囁いた凛とした声が晴翔の耳に響き渡った。

次の瞬間、半径五十メートルにも及ぶ巨大な炎の壁が立ち上がる。

それは天を焦がすほどの高さまで伸び、ドーム状に戦場を包み込んだ。

炎の壁は美しくも恐ろしく、生命を育む温もりと全てを焼き尽くす破滅を同時に宿していた。


懶惰「なんだと...!?」


懶惰の分身たちが炎の壁に包まれ、戸惑いの表情を見せる。

しかし、彼らは立ち止まらなかった。


懶惰「何をしてももう手遅れだ!!!」


分身たちは勢いを緩めることなく、突進していく。

暗黒の刃が炎を切り裂こうとした、まさにその時—


麗焔「縮小コンプレッション


巨大なドームが急激に収縮を始める。五十メートルの直径が四十、三十、二十と縮小し、最終的には直径三メートルほどの球体となって空中に浮上した。


懶惰「ぐわああああ!」


球体の中では懶惰の十体の分身が、まるで缶詰の中身のようにぎゅうぎゅうに圧縮されていた。

炎の球体は彼らの動きを完全に封じ、逃げ場を奪い去る。

一体また一体と焼失していく。


懶惰「なんだこれは!!」

「身体が焼ける!!」


麗焔「その空間からはもう出れないよ」

「これで終いだ」

「お前に足りないのは経験だな」


懶惰「ぐあぁぁぁぁぁぁ!!!!」


麗焔の最後の言葉と共に、球体の内部温度が急上昇した。

炎が白熱化し、やがて


ドオオオオオオン!


空に浮かぶ球体が大爆発を起こした。

まばゆい閃光が戦場を照らし、爆音が大地を震わせる。

懶惰の分身たちは炎の中で塵となって消え去った。

爆発の余韻が静まると、麗焔と晴翔は既に限界を超えていた。

全身傷だらけの二人は、まるで糸が切れた人形のようにその場に崩れ落ちる。


麗焔「はぁ…随分と時間が掛かった…」


晴翔「もう…限界…」


二人は地面に横たわったまま、震える手でグータッチを交わした。

勝利の証として、そして互いの健闘を称えて。

そして静寂が戦場を包む中、二人は安らかな表情で意識を失っていった。

戦いは終わった。

彼らの絆と勇気が、絶望的な状況を覆したのだった。

ここまでお読みいただきまして、誠にありがとうございます。

文章構成力不足でうまく読み取れない部分があるかと思いますが、暖かく見守って頂けますと幸いです。

ゆっくり投稿していきますので気長にお待ちください。

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