10話
ビルの光が消え初めた夜、周り静まり返った街に大きな地響きが鳴り響く。
その地響きで街には灯りがつき始め、晴翔も目を覚ました。
晴翔「なんだ!?」
勢いよく起き上がりカーテンを開け窓の外を覗き込む。
遠くの方で周囲を赤く照らし高々に燃えがる炎と爆煙が視界に入った。
静まり返っていた街は瞬く間に明るくなり悲鳴と忙しなく響く駆け足の足音。
晴翔「まじかよ」
「ゴクリ…」
「いよいよ俺も本格的に戦に身を投じるのか…」
唾を飲み込む晴翔。
過去疑惑をなくしたまま2度も覚醒してしまった晴翔。
またそうなるんじゃないかと手につけたリングを眺めながら不安と恐怖に胸が押し潰されそうだった。
1人部屋で足が動かなくなった晴翔。
すると
ブゥーブゥーブゥーブゥー
スマホのバイブ音が部屋に鳴り響く。
晴翔「なんだこんな時に」
「しかも知らない番号?」
晴翔はスマホを手に取り恐る恐る通話をオンにした。
晴翔「もしもし」
尾城藺「やっほー尾城藺だよ」
晴翔「尾城藺!?…さん」
「番号知ってたんですか?」
尾城藺「あれ?教えてなかったか?」
「この番号登録しといてぇ〜」
「それはそうと、晴翔も見えてると思うけどかなり被害が広がってるようで」
晴翔『くんがなくなってる』
尾城藺「今は麗焔が1人で応戦してるから晴翔も加わってほしい」
晴翔「で、でもまだ戦ったことないし」
「足手纏いにしかならない気がするんですが」
尾城藺「大丈夫、晴翔なら出来るよ」
「それに麗焔がしっかりアシストしてくれる」
「麗焔は晴翔を結構気にしてるようだったから」
晴翔「で、でも…」
尾城藺「とりあえず伝えたからよろしくね」
ブツン
晴翔「あ、切れた…」
「力になるならなりたいけど」
「いざとなると、こんなにも身体が動かなくなるのか…」
「あれだけ妄想してきたことが目の前で起きてるってのに…」
晴翔は手に持っていたスマホでSNSを開いてみた…
するとそこには被害を受けた人や倒壊したビルや家、そして燃え上がる炎タイムリーに状況がアップされていく。
投稿の中に1人戦っている動画が撮られていた。
撮影者「おい!見てみろ!なんかあそこで戦ってるぞ!」
「あれは人間か?」
「ここからじゃ全然分からないけど」
「複数いるんじゃないか?」
「うゎ!こっちくるぞ!!!」
そこで動画は終わっていた。
確認できた訳ではないが麗焔があの場所にいる事は確実。
撮影者は複数と言ってた、つまり1対1ではないということ。
それを1人で応戦し被害を食い止めようとしている。
動画を介して見ても分かる絶望感。
晴翔はスマホを握り締めたまま膝をついてしまった。
爆破が起きた現場では、膝をつき肩で息をする麗焔。
そして正面には複数の影が。
麗焔「はぁはぁ…」
「キリが…ない…」
???「おいおい」
「それでしまいか?」
「がっかりだな」
ここまでお読みいただきまして、誠にありがとうございます。
文章構成力不足でうまく読み取れない部分があるかと思いますが、暖かく見守って頂けますと幸いです。
ゆっくり投稿していきますので気長にお待ちください。




