6.四荒八極
ずいぶん遅くなってしまい本当に申し訳ありません
ここまで待ってくれていた方に心からの感謝とお詫び申し上げます
今回は街の小道の人探し3のまとめの話として書かせていただきます
登場人物に名前がない1話と2話の内容は含めきれていないと思いますがご勘弁のほどよろしくおねがいします
それでは楽しんで読んでいただければと思います
ピピピッピピピッピピピッピピ
「ん〜眠いな、、、は!こんな時間!急がないと!」
私は川島桜灯夕、現在映画館で働いている。
「はぁはぁ、すみません、遅れました、はぁはぁ、、」
「急がなくてもいいのに。どうせ映画回してる間は私達、暇なんだから」
「まあそうですけど、、」
「じゃ、トイレ行ってくるから映画、よろしくね」
「あ、はい」
相変わらず先輩は仕事をほっぽりだしてどこかへ行ってしまう。
(その分上司が私の給料を増やしてくれているのだが)
「あの〜すみません、チケット二枚ください」
「あ、え、はい、少し待ってください」
チケット販売窓口を開けてるのに店員がそこにいない上にチケットを用意していなかったため急いで準備を始めた。
「宵鶫さんとこうやって休日過ごすの久しぶりですね」
「だって、髙傳さん大学大丈夫とか言ってたくせに卒論で、、、」
「ちょ、そ、それを言わないでください、焦ったんですからね、ほんとに」
「やっぱり慌てて顔赤くするのかわいい」
「あ、また、そんなに私の頬をつんつんするの楽しいですか?」
「うん」
「ストレートすぎます!」
「すみません、どの映画のチケットを買われますか?」
「えっと、、すみません、青みたいな漢字が入ってた気がするんですがタイトルを忘れちゃって」
「え?あんなに見ようって自分から言ってたのに?だから、、、、、あれ?何だったっけ」
「もしかして、タイトルは『紺碧の氷空に』ではありませんか?」
「あ、すみません、それです」
「大人二人でよろしいですか?」
「はい」
「ではごゆっくりお楽しみください。」
チケットを手にした二人は色々話しながら中に入っていった。
「あの〜、僕もいいですか?」
「あ、はい」
「たぶん前の方と同じだと思うんですけど、『紺碧の氷空に』を見たいのですが」
「わかりました。少々お待ち下さい」
「映画なんて何年ぶりか、、、そういえば、医者になってから読書もままならないくなってたな、」
「こちらですね、どうぞごゆっくりお楽しみください」
それから何人か来てチケットを買い、場内に入っていった。
「上映時間になったし、そろそろ始めないと。」
場内の照明を暗転させて再生ボタンを押す。
それさえ済ませればあとは暇になる。
「あ、家に本忘れた」
最近読んでる本があって読もうと思っていたのだが朝のドタバタで忘れてきてしまった。
「流石に、映画館に本は置いてないよね」
仕方なくスマホを開いてインスタやらツイッターやらを適当に流し見していた。
ふと容量が限界になってきている事に気づいてフォルダーを整理していたら大学生のときに使っていたものが見つかった。
「あ、そっか、、もう何年も見てなかった」
『今日の街の風景写真』
「あれからずっと送ってくれてたんだ」
何百もの写真が貼られていたのは昔の彼氏と一緒に話していたweb上のシートだった。
(メールを使うのはめんどくさくて、でも話したいということで彼が作ってくれたのである)
特段なにかがあったわけではないけど互いに忙しくなって気づけば今の状態になっていた。
別れたわけではないから元彼氏っていうのもおかしい、けど現彼氏かって言われると違う気がする。
だから昔の彼氏という言い方をしていた。
「街って、雲の写真に少し建物が入ってるだけじゃん」
写真はほとんど雲ばかりで街は少しだけ写っているくらいだった。
「久しぶりに打ってみようかな、」
彼からの返事があるのか、気づくかどうかすらわからないまま適当な事を打った。
『久しぶり、元気してる?』
たったこれだけを打つのに五分も使ってしまった。
「久しぶりなのにこんなのでいいのかな、、、」
映画の上映が終わり、見ていた人がぞろぞろと出てきた。
「やっぱり見に来てよかったね」
「最後めっちゃ泣いてたでしょ」
「泣いてないです!!」
こんな会話をしながらみんな帰っていく。
「私も今度個人的に来てみようかな」
そんな事を言いながら片付けをして帰路についた。
買い物をその途中で済ませてから家に帰り、家についてすぐシャワーを浴びた。
髪の毛を乾かしてなにかテレビでも見ようと思ったその時にスマホに一個の通知がきているのに気がついた。
『webシートの編集にいいねがされました』
もしかしてと思い開いてみると返信が来ていた。
『お疲れ様、そっちは元気?』
『見てくれると思ってなかった』
『少しでも気に入ってくれたならいいけど』
『そんなあなたみたいに写真の技術があるわけでもないから』
読みやすいように少しずつ段分けされていた。
『じゃあ、またね』
相変わらず最後は『じゃあ、またね』で変わらないんだなと思いつつシートを閉じた。
「もう昔には戻れないんだよね」
朝から出しっぱなしにしていた麦茶のボトルが結露のせいか濡れていた。
少し長めの話でしたがどうでしたか?
個人的には少し納得のいかない部分もありますが気に入ってもらえたのであれば幸いです。
次作"は"早めに出すので読んでいただけると嬉しいです。




