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竜機兵物語~難易度ベリーハードのシミュレーションRPGの世界に転生しましたが、鍛え上げたアバターと専用機で無双します~  作者: 河原 机宏
第七章 もう一人の転生者

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巨大竜の羽

 ――大型飛空艇<ニーズヘッグ>ブリッジ。

 

「本船離陸から三十分が経過。現在各部に異常なし。ドラゴニック・エーテル永久機関、二基のエーテル永久機関の稼働状況良好。左舷及び右舷のエーテルチャージ率は百パーセントを維持していますわ」


 <ニーズヘッグ>が『第一ドグマ』を出発してからしばらく経過し、現在の船内の状況がステラを始めとするクルーたちからシェリンドンに報告されていた。


「特にトラブルはないようね。それでは、そろそろ〝羽〟を使用しての高速飛行に移行しましょうか。ハンダー君、準備はいい?」


「操舵状況は良好です。こっちはいつでも行けます」


 <ニーズヘッグ>の操舵を担当するハンダーは、飛空艇操縦では最高峰と言われる一級ライセンスを取得しておりその実力は一級品である。

 そんな飛空艇オタクの彼は、表面上は冷静を保ってはいたが内心は早く高速飛行を試したくてうずうずしていた。

 部下であるハンダーとの付き合いが長いシェリンドンは彼の心情を察し苦笑しながらも、<ニーズヘッグ>の〝羽〟の使用を試みるのであった。


「<ニーズヘッグ>左舷及び右舷のエーテルスラスター出力上昇、エーテルフェザー展開!」


「了解、エーテルフェザー展開します」


 <ニーズヘッグ>の左舷と右舷に設置されているエーテルスラスターから高出力のエーテルが放出され、次第にそれは巨大な翼の形を取った。

 純白の翼が鳥のように羽ばたくとその表面から白い羽が舞い散っていく。その美しい光景にティリアリアたちは見惚れていた。


「――綺麗。あの羽一枚一枚が高密度のエーテルで出来ているのね」


「そうよ。このエーテルフェザーは装機兵のエーテルマントからヒントを得て開発したものなの。エーテルマントは高出力のエーテルに術式を組み込みマントの形状に固定して機体周辺に浮力と防御障壁の力場を展開するの。それを更に発展させたのがエーテルフェザーなのよ。羽が放出されれば、船体周辺に展開した力場が強化され浮力効果の上昇によって船の機動力が向上するし、防御障壁で空気抵抗が軽減されることで高速飛行が可能になるわ。ちなみに<サイフィード>がドラグーンモードに展開するエーテル光の翼もこれと同じ技術が使われているのよ」

 

 シェリンドンは喜々として語りティリアリアはふむふむ言いながら話を聴いていた。

 ヒートアップしたシェリンドンは更にエーテルフェザー開発中の話を早口でまくしたてるように語っていき、ティリアリアは真剣に聴き続ける。


「――それで、そこで一番大変だったのが……はっ! ご、ごめんねティリアリアさん。私ったら説明に夢中になっちゃって」


「そんな事はないですよ。ハンダーさんの発言をヒントにして開発が一気に進み始める所とかわくわくしましたし楽しかったです」


 途中で我に返ったシェリンドンが頬を赤らめてティリアリアに謝罪をするが当の聖女は楽しんでいる様子だ。

 その成り行きを見ていたクルーたちはティリアリアが話の内容をちゃんと理解していた事に感心していた。


「さっきの主任のお話は、かなり専門的な内容もあって難しかったと思うんですけどティリアリアさんは分かったんですか?」


「ええ、一応錬金学に関してある程度の教養はあるから分かるわよ。皆から聞いた話でこの船が最先端の錬金術で造られたものだという事がよく分かったわ」


 微笑んでいるティリアリアに対しアメリたち錬金学のエキスパートたちは、彼女の教養の広さと深さに驚き、聖女の名は伊達ではないと彼女に対する評価を再認識するのであった。

 そして、高速飛行に入った<ニーズヘッグ>は白い翼を羽ばたかせながら飛空要塞<フリングホルニ>がいる『第四ドグマ』に向かった。

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