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昔運営されていた小説投稿サイトで連載していた物語です。
内容を変更し、掲載しています。
今日は朝からさむい。
3月も中旬。季節は春だ。
都心部では、ニュースキャスターが春の訪れを声高らか
原稿を読み上げたそうだ。
とはいえ、東北の春は遠い。
東北の春は、まだまだ遠い。
冬の名残は香りなく、しかしどこかその冷たさは鼻の奥を穿く。
肌に刺さる空気は痛い。
雪の下には、ふきのとうが必死に根を張ろうと、春を呼び込もうと、
懸命に生命をかがやかす。
だけど・・・
今日も、窓の外には雪が降る。
窓の外には雪が降る。
明日は晴れるのだろうか?
いや・・・
明日もきっと、雪が降る。
明日はきっと、雪が降る。