#8 期待
エイペックス、早くSwitchに来ませんかねぇ〜
お楽しみ下さい┏●
レイが階段を上がりリビングに顔を出すと、父と母、祖父は誇らしげな顔でレイを見た。
姉兄はポカーンとした表情で、何が起きたのか分かっていなかった。
「妖刀を操るようになったか。あの部屋から出てきた、とゆう事は覚悟は決まったんだろうな?」
「うんパパ。それと、ママ、おじいちゃん、姉ちゃん、兄ちゃん。僕はヒーローになるんだ!!」
レイは胸を張って言った。
自分が悪い人のみを殺し、この世の悪を裁くと・・・
「「「「ヒーロー????」」」」
全員呆れた顔をしている。
未だかつて居ただろうか?
闇の住人であるフメリ一族の仕事をヒーローと勘違いしてしまう者が。
当のレイ本人は、誇らしげに鬼化羅擦を腰の位置で掴んでいる。
「えっとねレイ・・・ママ達のお仕事は、ヒーローとかじゃなくてね?」
「うん!ヒーローは誰にも言っちゃいけないから、パパもママも変な言い方してるんだよね!?」
話を聞く耳が無いと言うのか・・・
自分のヒーローになった姿を想像して酔っているのか・・・
確実なのはレイがフメリ一族の使命を全うする覚悟を決めた事だ。
「で、ではレイ。夕食後に仕事を少しだけ教えるから、私の部屋に来なさい。」
「うんパパ!僕がヒーローになる所見ててね!」
父もレイのキラキラした目を見て強くは否定出来なかった。
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この日の夕食は豪華だった。
・ローストビーフ
・鴨のロース
・キャビア
店で食べたらウン百万は飛ぶであろう料理が所狭しと並んだ。
今夜はレイ6才の誕生日だ。
姉兄は6才の誕生日プレゼントにナイフを欲しがっていた。
レイは母にプレゼントを聞かれ、
「ヒーローになるから仮面が欲しい!!」
と答え、ケーキを食べている途中に貰った。
「ありがとうママ!!これで僕もヒーローだね!!」
目から下を覆う形で、黒を基調とし赤を差し色に入れ、口の部分は尖った歯の装飾がしてある。
傍から見ると悪役その者だが、レイは大喜びし、疲れるまで家の中を仮面を付けて走り回った。
「レイ、仕事の話をする。私に付いてこい。」
レイがリビングの隣にあるソファーに座っていると父が呼びに来た。
(僕のヒーローになる為の勉強だ・・・頑張らなくちゃ!)
レイは張り切って父に付いて部屋に行く。
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「そこに座りなさい。」
部屋の中央にあるテーブルを挟み、レイと父は向かい合った。
「では、レイ。まずは諜報活動を教える。」
父は紙とペンをテーブルに置き、絵を交えながら話を進める。
「諜報とは、ターゲットの情報を手に入れる事から始まる。それを踏まえて、様々な物を手に入れる。ここまでいいか?」
レイはコクリと頷いて目を紙に向ける。
「主な手段は潜入だ。潜入先で情報を集めて、ターゲットに近付く。私はこの手段を多く用いる。次に電子諜報。パソコンやスマホ等の電子機器から情報を抜き取る。これはママが得意だな。どうだ?」
「う〜ん・・・潜入もダメでスマホもダメならどうするの?」
「警備が厳しく、セキュリティが強固ならターゲットを攫う。本人から聞き出し、その後殺す。」
「なるほど・・・ヒーローって難しいんだね。」
6才の頭で理解出来る話では無いにも関わらず、レイの脳は父の話を処理し的確にレイの記憶へと収納した。
鬼化羅擦と精神を交代した事により、理解力・判断力・瞬発力・持続力が上がっている。
「理解出来たなら問題はない。では早速レイには諜報活動をしてもらおう。明後日よりレイには小学校に通ってもらう。担任の教諭が大切にしてあるある物を盗んでもらう。」
「うん!僕のヒーローの第1歩だね・・・僕、学校に行くの?」
レイは幼稚園には通っていなかった。
いきなりの仕事と学校。
レイの心は期待と不安で溢れた。
「行きたがっていただろう?丁度いいから、初仕事もこなして来い。」
そう言うと父はレイに退室を促した。
レイは寝室に行き、寝る前に必ず来る母に、仕事の事を話した。
「良かったわね〜。それじゃあ明日は諜報の詳しいやり方をママと勉強しましょうね?」
そう言ってレイの額にキスを落とし、夢の世界へとレイを誘っていった・・・
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