#7 脱出
連投です。
TwitterでRTをしてから書きたくなり、コンセプトを決め、大方の流れも頭に浮かびました。
お楽しみ下さい┏●
レイが鬼化羅擦を呼んだ少し前。フメリ邸のリビングにて。
「なぁ父さん。レイにアソコは早かったんじゃ?」
父に問うのはレイの兄ドレイクだ。
「妖刀の主人になったからには、一流に育てねばならん。宝の持ち腐れにしてみろ?あの陰険な魔女が何と言うか・・・」
父は苛立ちを紛らわす様に鬼化羅擦を手に取る。
「ねぇパパ〜その刀、ワタシに研究させてくれないかしら〜?妖刀の秘密さえ分かればワタシのスコアも上がるんだけど〜」
間延びさせて、甘えた声を出すのはレイの姉ミシュラ。
「よく聞いておけ。妖刀とは大昔、人を斬り過ぎてその者達の怨念によって自我を持った危険な存在だ。持ち主が居なくなれば眠りに入るか、その刀身のみで人を斬るかだ。
妖刀を知るな。妖刀に呑まれるな。私の御祖父様からの言葉だ。」
父がそう言うと、姉兄は黙ってしまった。
母は鬼化羅擦を父から取り、撫で始める。
「この刀がレイを守ったのよ・・・私達の宝物を守ってくれた・・・良い刀じゃない。」
母が鬼化羅擦を褒めると、鞘が音を立てて揺れ始めた。
「あら?照れてるのかしら〜フフフッ。」
母は机の上に鬼化羅擦を戻し、少し顔を赤くしている。
すると、鬼化羅擦がひとりでに宙を舞い、レイが入れられた地下室へと飛んで行った。
「レイが呼んだか・・・決意は固まったようだな。」
父はニヤリと口角を上げて、妖しげな目を地下へ続く階段へと向けた。
*********************
「おにからす・・・僕の刀。僕の力になって、一緒にヒーローになって!」
『ヒーローだと?今度の主人はガキの上、ヒーローになる為にオレを振るうだと?面白くなってきたじゃねぇか!ヨシ!レイ、オレを抜いてこの扉を斬っちまえ!』
鬼化羅擦はレイの腰へと飛び、まるで磁力があるかの様にピタッとくっついた。
「行くよ、おにからす。僕はヒーローになるんだ!」
気合いを入れて、その身の丈には合っていない鬼化羅擦を抜刀する。
刀身が無いかの様な軽さ。
抜く時の心地良い音。
腕を伸ばし切らなくても、鞘が動いて助けてくれる。
妖しく美しい刀身に映るのは金属の扉。
一呼吸置いて振るわれ、一筋の光を残した刀身は、綺麗に鞘に収まる。
「扉なんて簡単に斬れちゃうんだね。」
ポツリとレイが言うと、扉は前後に分かれ落ちる。
地に落ちた時、不思議な事が起こった。
重く頑丈な金属の扉のハズなのに、全く音がしない。
揺れもなければ、ホコリ1つ舞っていない。
『コレがオレの能力だ。斬った物の全てを消す。音、重さ、色、様々だか今回は扉の重さと音を消した。さぁ、上に行ってヒーローになる為の勉強でもしようぜ?』
「うん!おにからすって凄いんだね!僕達2人でヒーローになろう!!」
レイは階段を踏み締め、これからの期待を胸にリビングへと進む・・・
レイがこれからどうなるか楽しみにして下さい(*^^*)
必要な悪は正義なのでしょうか?
こんな疑問も解決していきたいと思います。
よろしければ、評価・感想・Twitterアカウントのフォローをお願いします┏●
Twitterアカウントは活動報告にIDがあります┏●