#6 決意固く
本日はもう1話投稿します┏●
お楽しみ下さい┏●
レイが居る部屋に足音も無く入ってきたのは、法衣(死装束)を着た気の良さそうな、お爺さんだった。
「僕、お爺さんの事知らないよ?」
「だから、産まれたばかりの時に会ったキリじゃからの。おじいちゃんのパパじゃよ。」
「僕の大きいおじいちゃん?」
(作者は曽祖父の事を大きいおじいちゃんと呼んでいました┏●)
レイから見て曽祖父のお爺さんは、ゆっくりとレイに近付いてきた。
「そうだよ坊や。いや・・・レイちゃん。」
その声は優しく、まるで母の様な温もりさえあった。
「大きいおじいちゃんは、どうしてここに居るの?」
「レイちゃんが困って居たから来たんじゃよ。パパに怒られて、ここに入れられたんじゃろ?」
お爺さんはレイが腰掛けているイスに近付いて、しゃがみこみ目線を合わせて、
「レイちゃんは、パパ達の仕事が悪い事だと思っておるんじゃろ?」
「そ、そうだよ!人を殺しちゃうのは良くない事だと僕は思うんだ!」
レイは立ち上がりながら叫んだ。
お爺さんはレイの肩に手を置き、イスに座らせながら語った。
「レイちゃん。パパ達の仕事はの。悪い人を殺す仕事じゃ。ワシも何人も殺してきた。人の命を奪う事は決して許される事では無いのじゃ。
じゃがの、人の物や命を奪う人をレイちゃんは、どうやって捕まえるのじゃ?」
お爺さんはレイの目をジッと見て答えを聞く。
対するレイは、オドオドしながらも自分の考えを話す。
「お巡りさん達が頑張ってくれるよ?だから、パパ達が殺すのはダメなの・・・」
「レイちゃんは優しいの・・・じゃが、甘い。
警察等には手に負えない者をワシらが殺し、国から感謝されて来た。ワシもレイと同じじゃった時もある。じゃが、ワシらフメリの一族が殺らねば、警察が、罪も無い人が、子供が、沢山死ぬ!ワシらはそれを止めねばならんのじゃ!」
お爺さんの剣幕に涙目になりながらレイは俯いた。
人を殺さないと、無関係の人まで死ぬ。
犯罪者を殺さないと、大切な人が死ぬ。
この世界に生きる人の命を奪わないと、人が命を奪われる。
6才の少年には難し過ぎる葛藤だ。
「レイちゃん・・・難しく考える事は無いのじゃよ・・・レイちゃんが少し我慢すれば、ヒーローになれるのじゃ・・・」
そう言うと、お爺さんは来た時と同じくスゥーッと部屋から出ていった。
レイは1人で考える・・・
(人を殺すのは怖い・・・血が怖い・・・あの感触が嫌い・・・でも・・・でも・・・僕がしないと・・・)
レイはイスから立ち上がり、重く冷たい部屋の扉を見つめた。
「僕も殺らないと人が死んじゃう!僕がみんなを助けるんだ!僕がヒーローになるんだ!」
世界一の暗殺諜報一族
フメリ一族当主邸地下室にて
次代を担う妖刀の主人
レイ・フメリが誕生した
「来い!おにからす!」
レイが扉に向かって叫ぶと、壁をすり抜け妖刀鬼化羅擦がレイの前に現れた・・・
大きいおじいちゃんって言ってた人、沢山居ますよね・・・?
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