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海中に咲く花  作者: SHELLY・BOSS
第1章 プロローグ
4/21

#4 目指す場所

最近、暑さで目が覚めます・・・

熱中症にはお気を付けください。


お楽しみ下さい┏●

鬼化羅擦(おにからす)の刀身を見た者は、その魅力に囚われ今世を終えると逸話がある。

兄と姉は、鬼化羅擦を見た瞬間から目をトロンとさせ、ゆっくりと手を伸ばしてきている。


「ドレイク!!ミシュラ!!止めんかっ!!」


父が怒鳴ると2人はビクッと肩を震わせた後、顔を合わせ首を傾げていた。


「まだまだ若いのぉ。妖刀に魅せられていたんじゃよ。」


2人は少し恥ずかしそうに顔を伏せた。


「レイや。鬼化羅擦の声は聞こえるかのぉ?」


「え?刀が声なんて・・・」


『おいおい・・・今回の主人はガキかよ。』


「え!?だ、誰!?」


レイは周囲を見渡しながら叫んだ。

当たり前だが、レイにしか聞こえておらず、兄と姉は不思議がって、父、母、祖父は真剣に鬼化羅擦を見ている。


『オレだ。お前が手に持ってる鬼化羅擦って者だ。』


「きみ・・・喋れるの?」


『正確には思念ってやつだが、喋れると思って問題は無い。』


「レイ。鬼化羅擦と交代してみろ。」


父に言われたが、レイは訳が分からなかった。

すると鬼化羅擦が、


『レイって名前か。よぉレイ。目を閉じてオレの形を思い浮かべろ。安心しな、交代しても、お前が強く念じれば動くからよ・・・』


そう言われて、レイは頭の中で鬼化羅擦を浮かべる。

赤い柄に黒い柄紐。

羽の形をした、ひし形の鍔。

血をベッタリと塗った様な恐ろしげな鞘。

そこまで思い浮かべると、スゥっと眠りに落ちるように意識が無くなっていく。


「初めのうちは慣れないかも知れねぇが、気にすんな。」


『僕、どうなるの?』


「怖がる事はねぇ。体を借りてるだけだ。ちゃんと戻れるからよ。」


レイは少しずつ落ち着きを取り戻し、自分の物でない視界から見える家族を見た。


「鬼化羅擦だな?先ずは昨晩の礼を言う。」


「礼?オレは斬っただけだ。」


父の言葉に鬼化羅擦は素っ気なく答える。


「随分と偉そうだな?私の事を知らないのか?」


「てめぇなんか知るわけっ・・・何でこんな所に居やがる、サラ。」


母を見た鬼化羅擦は動揺を露わにして言う。


「あなたの知っているサラじゃ無いわよ?今世はフメリ一族に嫁いだサラよ。」


母は鬼化羅擦に向けて言った後、父に向かって、


「ワタシのご先祖さま。鬼化羅擦の持ち主だったって聞いた事あるの。ワタシは生まれ変わりみたいね。」


「なるほど・・・私の家に来る時に鬼化羅擦を持たせられたのは、運命と言った所か。」


父は懐かしげに目を細めた。

結婚が決まった時、母の祖父が鬼化羅擦を頑なに持って行けと叫び、渋々受け取った母の姿を思い出していた。


「ところで、オレに交代させた理由を聞かせてもらおうか?」


「そうだったな。鬼化羅擦、お前にはレイを助け、我々フメリ一族の繁栄を手伝って貰おう。」


「オレが決める事じゃねぇな。レイに言え。オレはレイがやるなら文句はねぇよ。」


そう言うと、鬼化羅擦は目を閉じた。


『レイの親父、頑固だろ?オレ肩凝って仕方ねぇよ。』


「僕には分からないよ・・・どうしたら良いと思う?」


『ゆっくり決めろ。まだまだガキなんだからよ・・・』


体全体の感覚がレイの支配下に戻り目を開ける。

問題は無さそうだと思ったレイは口を開いた。


「ね、ねぇパパ・・・僕にお仕事の事、もっと教えて?」


「うむ。よく言ったぞレイ。」


満足そうに頷く父。

嬉しそうな母と祖父。

兄と姉は不思議そうな目をレイに向ける・・・

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