~ユリside~スズちゃんのお世話
宿に帰るとヴァンはスズちゃんをザルから出し、猫人から買った篭に入れる。
「どうだ?スズちゃん。気に入ったか?」
「リーリー!」
篭に入るとスズちゃんは篭の中の止まり木から止まり木へと飛んで移動し、嬉しそうに鳴く。
「喜んでるね」
「そうだな。買ってよかった。
そうだ。餌も買ったんだ。食うか?」
篭に付いている餌入れに乾燥した穀物を入れるとスズちゃんは小さな嘴でツンツンと可愛らしく食べ始めた。
「可愛いなぁ~。お水もあげた方がいいよね」
篭の蓋を開け、水入れを取ると僕はキッチンの水道から水を汲み、餌入れの横に掛ける。
「よっぽどお腹空いてたんだね」
あっという間に餌も水も完食してしまったスズちゃんはもっとと言うように空になった餌箱をつつく。
「ほら、もっと食え」
餌を入れるヴァンの手に頬擦りするスズちゃんは本当に可愛い。
なんだか僕も…ペットが欲しくなってしまった。でもあのオオムはいらない。買うならやっぱり小動物がいいなぁ。リスとか。
「でも意外だよね。ヴァンって動物好きだったんだ」
「こういう可愛いのは好きだぞ。アルムの兄貴やムッチョ達みたいなでっかいのは普通だけどな」
「確かに。でも、アルムやムッチョやパッチョも昔は可愛かったってお父さんとお母さんが言ってた」
ムッチョとパッチョはお肉屋さんの前に木箱に入れられて「拾って下さい」って書かれてたのをクソジジイ様が拾って来たって言ってたなぁ。初めてお父さんが2人に会った時、まだ猫くらいの大きさで可愛かったって。
「今のあいつら見てると想像つかねぇけどな」
「うんうん。よく育ったもんだよ」
スズちゃんの世話をしながら、僕らは今離れ離れになっている家族の事を語り合った。




