~ヴァンside~見世物小屋にて
「なんだ、此処…」
最前列に行くと…檻の中に蛇やでかい蛙、でかい蜘蛛…なんかキショイ生き物が並んでるのが見えた。
「わっ、とと…ヴァン、早いよぅ…ってかこれ何?」
「さぁ?」
ちょっとでかいけど珍しくも何ともない生き物達。これが見世物なのか?
「さあさあ、お立ち会い!これから残酷なショーが始まるよおっ!」
ピエロのような格好をした太った男が見世物小屋のテントから出て来てそう言う。
「ヴァン…帰ろうよ…なんだか怖いよ」
ユリが俺様の服を引っ張り帰ろうと促すが、好奇心のが勝ってしまい、ユリの手を掴んだままその場に留まった。
(あの蛇と蜘蛛を戦わせるのか?)
さすがに蛙と蛇はやらないだろう。蜘蛛と蛙も。ならどっちが強いかやるなら蛇対蜘蛛だろ。蛇は蜘蛛食わないし、蜘蛛だって蛇は食わない。結局戦わないんじゃないかな?
ピヨピヨピヨピヨ…
だが、男がテントの方に手を突っ込んで取り出したのはヒヨコが詰められた檻。
「さあ、この子達は一週間まともに餌をあげてません!さあさあさあ!どうなるかは予想は付きますね?」
男は檻に手を突っ込み、ヒヨコを1羽取り出す。
「さあさあさあ!この哀れな生まれたてのヒヨコ!雄に生まれたばかりにこの世にはいらない存在!
あぁ、哀しいかな。所詮はいらない命!
さあさあ、よくご覧なさい!必死に鳴いて、助けてとでも言っているのでしょうかねぇ…」
(いらない…命…?)
「お前なんかいらない!!」
「はぅぅ…」
とてつもない寒気に襲われ、俺様は自分の体を抱き締めた。
(やめろ…こんなの見るな…早く離れろ!)
頭で体に命令するけど動かない。
「さあ!この哀れなヒヨコ、どなたか買いませんか?!一匹10万ガルだよ!」
「10万?!」
周りからどよめきが起こる。
「やってらんねーよ、行くぞ!」
ぞろぞろと周りの人達は帰っていく…だが、俺様の足は動かない…。
「では、誰も買わないそうなので、この哀れなヒヨコは蛇の餌になりまーす!」




