ヴァンの過去…2~幼いヴァン視点~
ヴァンの過去…2
僕は小さいのと一緒に育てられた。毎日小さいのと一緒に美味しそうな女の人のお乳を飲んで眠るだけの暮らし。
小さいのはユリって呼ばれてた。
僕にはあの美味しそうな白黒の人がヴァンって付けてくれた。
「ほら、ヴァン。お前はもう喋られるでしょう?」
「あい」
「やはりね。ドラゴンの子供は母ドラゴンの胎内にいる時から知能は発達し、言葉を理解し、孵化してすぐに喋られる」
「う?」
「難しい言葉は分かりませんよね。
ではヴァン。僕の名前を言ってみて下さい」
名前…この美味しそうな白黒の人が呼ばれている名前…。
「あるふれいむ」
「素晴らしい。正解です。僕の名前はアルフレイム・ペータ。皆はアルムと呼びます」
「あるむ?」
「何ですか、ヴァン」
「あるむ!」
「はいはい」
「あるむは、僕のお父さん?」
お母さんじゃないならお父さんかな?ずっとそばに居てくれるもん。
「残念ながら貴方とは血が繋がっていないのですよ。
でも、兄と慕ってくれていいです」
「あに?」
「貴方の家族。父母とは違いますが、それと同じくらい貴方を大事に思う存在」
よく分からないけど…あるむは
「味方?」
「えぇ。ヴァン、お前の敵になるものがいたら僕がそれを倒しましょう。なんせ僕は……いえ。何でもありません」
あるむが抱っこしてくれて、おしっことうんちが出たら綺麗にしてくれて、お腹が空いたらあるむのお母さんのとこに連れてってくれたり、そのうち違うものもすぷーんで食べさせてくれた。
「あるむ!」
「アルム!」
「アルムのおにーたん!」
「アルムの兄貴!」
「アルム兄貴!」
「何ですか、ヴァン?」
いつもアルム兄貴と一緒。時々ユリと一緒。
「ヴァン、今日はオリエさんの実家に行かなくては行けないんです。離して下さい」
「ヤダ!ヴァンも行く!」
「困ります。貴方は黒竜の子…あのクソ親父に何言われるか分かりませんよ」
「ヤダヤダ!アルム兄貴と離れない!ずっと一緒!」
捨てられるのは嫌だ!離れたら捨てられるかもしれない!
「アルム兄貴、ヴァンが嫌いになったの?」
「そんなことはないです…でも、貴方が傷付くかもしれないんです」
「怪我するの?」
痛いのは嫌だけど、アルム兄貴と離れるのはもっと嫌だ!
「怪我はしませんが…
もう時間がありません。仕方がないですね。ヴァン、僕から絶対離れないで下さいね?」
「うん!」




