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ノーザンライツ団航海日誌!第一期  作者: カナル
第二話「盆休みの始まり」
25/61

~生まれたばかりのヴァン視点~

……なんだろう…暖かい。


お母さんが帰ってきて温めてくれてるのかな?


「お母さん!」




「…誰か、今何か言いましたか?」


よく火を通さないと。まだ生でしょうし、お嬢様にお出しするのだから固茹でにしなければ。


「……!」


「ねぇ、パッチョ…なんか…この卵、やけに揺れてない?」


「そうだね、ムッチョ…それに何か声がするんですけどぉ!」


「何ですって?!熱!!」


僕は慌てて耳を卵に押し付ける。すると確かに声がする!


「馬鹿な?!孵化するんですか?!」


「火!火を消さないと!卵出さないと!!」


「えー茹でドラゴン美味しそうじゃね?」


「黙ってなさいオーク弟!アチチチ!水!水!!」




パキッ…


眩しい…


外…?


お母さん…?



「……」


誰?これ…お父さん?お母さんは…いないの?


「生まれた…翼の黒い、竜人?!」


この人は誰で、何を言ってるんだろう?

もしかしてご飯かな?食べていいのかな…


かぷっ


「あいってぇっ!噛むなこのクソガキ!!」


かじったら怒った。美味しそうだけど食べちゃダメなのかな?


「おい、どうした山羊少年…ってなんだその赤ん坊は!!」


「お頭~!あの卵から出て来た!」


「人っぽいけどちっこい羽ある!食べれない系なんですけどぉ?!」


食べる…?この人達、僕を食べるの?

ヤダ!食べないで!!


「ビィビィ泣いてますね。さて、どうしたものか…」


「皆~聞いて~!子供が、生まれたよぉ!!」


「お嬢様の子供ですか?!」


「勿論!男の子だよ!来てきて~!」


何かまた人が増えた。分からないけど、今僕を摘まんでいる人が移動する。

眩しくて暖かい部屋に入って、小さいのが見える。


「でかしたオリエ!」


「おめでとーオリエさん!」


「めでたい!めでたいねぇカンパニュラさん!」


美味しそうな二人がくるくる踊って、小さいのは皆に喜ばれてる。

でも、小さいのは泣いてる。お腹空いたって。


「カンパニュラどうしよう…お乳が出ないの」


「ど、どうしよう?!親父、どうしよう?!」


「慌てんな…おい、山羊少年。悪いが乳の出る家族はいないか?」


「そこにいるよ。

お母さん。お嬢様の子供と…この子にあげてくれないか?」


「いいよ。ほらおいで二人とも」


美味しそうな女の人に渡され、凄く近くに小さいのが来た。

小さいのは必死に何か吸ってる。

これ、吸えばいいのかな?


「お、二人ともしっかり飲んでるね。これなら大丈夫だよ」


「よかった。

それにしても、まるで双子みたい」


「なんなら、二人一緒に育てちゃう?」


「そうね。そうしましょ。

ユリ、この子はあなたの大切な家族よ。君も、ユリを宜しくね」


優しい女の人が小さいのと一緒に僕の頭を撫でてくれる。

とっても気持ちよくて…眠くなってきた………





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