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ノーザンライツ団航海日誌!第一期  作者: カナル
第二話「盆休みの始まり」
23/61

~ヴァンside~

「おい、寒いのか?もっと熱くするか?」


「いや…大丈夫」


何故か俺様にピッタリくっついてブルブル震えてるユリ。風邪でも引いたかと思っておでこに手を当ててみるが熱はない。


「本当に、どうしたんだよ。もしかして天井の事か?」


そーいや、ユリお化けが駄目だもんな。ゾンビ系のモンスターが出るったら船室から出てこねーし。


「あのな、顔みたいなシミっても、猫の顔みたいなシミだぞ?」


「…へ?」


ったく。本当に怖がりだな。


俺様は少し背伸びすると指でそれを擦る。


「取れた。

なんだ、赤カビじゃねえか。もう何もないぜ」


ただの掃除の行き届いていないだけ。


「見てみろよ、何もないぞ。今俺様が掃除してやったから」


「……」


ゆっくりと顔を上げ、ユリはようやく天井を見る。


「ほんとだ…」


「これで一人でも水浴び出来るだろ?」


「うん…」


毎回こんなただでさえ狭くて2人で入ろうものならギチギチの窮屈な水浴びはごめんだ。


「じゃあ、先に出るぞ」


1度お湯を止め、先に水浴び場から出る。


「ヴァン…ありがと」


「へいへい。ゆっくり浴びろよ」


さて。体も拭いたし、さっきユリが何見てたか気になるな。


小掲示板の前に立ち、履歴を漁ると…


(…なんだ、これか)


ユリが隠した物。それは俺様だって知ってる事。


(馬鹿め。こんな事、俺様だってとっくに調べたさ)


自分を捨てた母ドラゴンの事。

母の胎内にいる間の記憶も、優しい声も全部覚えている…。早く生まれてきてねとか、広い空を見せてあげるとか……。


「呪われた黒竜の子?!」


「こんなの、私の子じゃないわ!」




「………」


蘇る、母の声。


「待って!行かないでお母さん!」


「僕を捨てないで…捨てないで……」



どれだけ卵の中で泣き叫ぼうと、母は帰らない。


自分が捨てられ、温めてもらえず死ぬしかない中で…


俺様はアイツ等に拾われた。

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