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あの日の空は

作者: かまきり娘

初めての投稿なのでうまくできているかわかりませんが、これを読んでどう思うかがとても気になります。

 私は夢見(ゆめみ)あやめ。とある事情で今は教室に取り残されている。



「はぁ…。なんでこんなものやらされてるのかしら」



 その時、ドアが開いた



「おまたせ。買ってきたよ」



 友達の花井 桜(はない さくら)だ。彼女には飲み物を買ってきてほしいと頼んでいたのだ。


「どれくらい進んだの?」


「実はあれから全くわからなくて…」


「えぇ!待ってあげてる私の身にもなってよ。そ・れ・に、()()()()()してたあなたがわるいのよ」


「そ、それはそうと、頼んでた飲み物ちょうだい?」

「話を晒す人にはあげません!」


「えぇ!?そんなぁ」



 私は今、提出物をやらされているのだ。何故って?提出物を出さないで指導無視していたら、呼び出されて説教食らったからだ。優しい私の友人はそれに付き合ってくれている。むしろ彼女には感謝すべきだ。



「冗談に決まってるでしょ。はいこれ」



 渡されたお茶を私は飲んだ。



「あぁ〜、癒される〜」


「さて、私も見てあげるから進めよ?」


「うん!ありがと!」



 それから一時間ほどすぎた



「やっと終わった…」


「お疲れ様!もう暗いし、さっさと帰ろ」


「うん!」



 提出物が終わったのは夕方の18時だった。彼女は自分の意思で残ると言ったのだが、それでも私には罪悪感(ざいあくかん)があった。



「さくらちゃんには悪いことをしたな。また何か(おご)ってあげよう!」


 私はそう思い、家に帰った



 家に帰ると母親がご飯を作っていた。


「ただいまー。今帰ったよ」


「おかえりなさい。随分(ずいぶん)と遅かったじゃない。何をしていたの?」


「え?あー、ちょっと友達と遊んでただけだよ」


「それならいいんだけど、あんまり遅くなるようなら連絡してね?」


「わかった!けど、子供じゃないんだよ?お母さんは心配性すぎ」


「親だから心配もします」



 それもそうか



「それより、ご飯が冷めないうちに早く食べなさい」


「はーい」



 今日のご飯はオムライスだ。お母さんの得意料理の一つ。なぜかケチャップでハートが書かれているが、気にしないでおこう。その夜…。私は疲れていたせいか、すぐに眠りについてしまった。目がさめると、すでに朝日が昇っていた。



「ん…、朝か。まだ眠たい…」


 私は眠たい気持ちを押し殺して、準備を進め家を出た。学校に着くと


「あやちゃんおはよー」


 この声はさくらちゃんだ。


「おはよさくらちゃん。昨日はありがとう。ほんと感謝してるよ!また何か奢らせてね」


「そんな気にしなくて大丈夫だよ。私も頭悪いから大したこと教えられてないし…。ほとんど自分の力で頑張ったんだからそこは(ほこ)りなよ」



 やっぱり優しすぎる。そこに甘えてしまう部分があるのは直すべきなのかも。



「そうなのかな?まぁそれでも私は感謝してるんだよ!ありがとう!」


「いえいえー。これくらいで感謝してくれるなんて、私幸せ〜」


「調子に乗らないの」


 話をしているとチャイムが鳴った



 いつも通りの授業を受け、6限目が終わり帰ろうとした時


「えー、3年○組の夢見あやめさん、今すぐ大職員室(だいしょくいんしつ)に来なさい。繰り返します……」


「あれ?あやちゃん呼ばれてるよ」


「なんだろう?何かしたかな?むしろやらかした覚えしかしないんだけど…」


「何やってるのよ。遅くなりそうだし私は先に帰るね。またねー」


「さくらちゃんまたねー」



 はぁ。また呼び出しだ。自分が悪いのはわかっているのだが、やはり呼び出しというのはめんどくさい。重い足取りで大職員室に向かった。



 コンコン



「失礼します。3年○組の夢見あやです」


「来たか。入れ」


「はい」



 うわ…。学年主任の坂田に呼び出しか。一番めんどくさいよ。


「お前、なんで呼び出されたかわかってるか?」


「いえ、わかりませんが…」


()()()についてだ」


「はい…」

「お前しっかりしろよ。今の成績だとお前の将来についてはまだ決められない」


「つまり?」


「つまり、卒業を目指して頑張れ、という状態になるということだ」



 正直、自己PRもまともに書けていなく、もうやる気がなかった私はそれでもいいのかな?と思った。



「本当にそれでいいのか?それでこれからの長い人生決まるんだぞ?今のこの残りの3ヶ月でこれからの何十年が決まるんだぞ?いいのか?」


「いや、よくはないですけど…」


「ですけどじゃないだろ。今から頑張るんだよ!」


「はい」



 なんて答えればいいのかよくわかんないよ。



「一つお前に教えておく」


「はい」


「いいか?いいこと、例えばこれを出せばいくらもらえるだとか、そういうものはすぐになくなる。期限が過ぎればなかったかのようになくなってしまう。だがな?悪いこと、例えばいくら払えだとかそういうものはな、なくならないんだよ。もっとわかりやすく言うと、悪いことはなくならない。だけど、いいことはすぐなくなる。そういうもんなんだよ」


「なるほど…」


「だから、悪いことはなくせ。そして、いいことをいっぱいしろ。なくなるとしても、相手の印象にさえ残ればいいんだ」


「わかりました。ありがとうございます」


「最後にもうひとつだけ言っておく」


「なんでしょう?」


「人を裏切ることだけは絶対にするな。たとえ何があっても裏切ってはいけない。この世の中は信用がなければ意味がない」



 正直私は信用や信頼されることはプレッシャーになるので嫌なのだが…



「だから、この学校に入学させてもらった親だけは裏切るな。親のお金がここに入れるんだぞ。それだけは忘れるな」



 心に刺さる。むしろ痛いくらいだ。



「わかりました。改めてありがとうございました!」


「頑張れよ」


 その言葉を最後に大職員室を後にした


「失礼しました」


 ドアを閉めるとき、担任の顔が見えた。泣いていた。私は、本当にロクでもないやつだな。



 下校中、私は空を見上げた。青かった。そして夕方に近づいているせいか、少しオレンジの色もあった。


「空、綺麗(きれい)だな」



 私はなんだか悲しい気持ちにもなり、また心が洗われるようなスーとした気持ちにもなった。私はこの空を忘れないだろう。この青は、担任の先生のあの涙。このオレンジは、怒りつつも優しさのある先生の言葉。


 私はいろんな人のおかげでここにいる。それが改めて思い知らされた感じがした。


「私頑張るから!」









 そう心に(ちか)い、涙がポロポロと出た。

かまきり娘と申します。いかがだったでしょうか?これはフィクションではございません。すこしアレンジは加えているものの、一応ノンフィクションです(※名前は全くの別名です)。

これを読んでどう思うかは人それぞれであり、また変な方向に伝わったり、伝わらなかったり…さまざまな可能性があります。ですが、私的に読んで良かったと思ってもらえるのが一番嬉しいです。

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