表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/40

愛実ちゃんの妊娠を応援しました。

ああ、この光景は以前見たような。


愛実まなみちゃんが、大きなおなかをさすりながら、夫となったまさるくんと一緒に神社の境内を歩いている。そうだ、愛実ちゃんのお父さんとお母さんである、卓司たくじさんと喜美きみさんもおなかに赤ちゃんの愛実ちゃんを宿して、神社に来ていたっけ。


「まさか、ハネムーンベイビーになるとは思わなかったよ」

「ふふっ、良いことは早い方がいいのかもしれないね、将くん」

「そうだね、愛実ちゃん。急に、僕らは親になるんだなあ。うまくやれるかな」

「わたしたちふたりならきっと、なんとかなるよ。家族も喜んでくれているし。中学生のとき、家出しなくて良かったね」

「本当だ」


神社の池のほとり、愛実ちゃんのお父さんとお母さんも安産を祈願したさい銭箱にふたりはお金を入れ、生まれてくる新しい命のために、熱心な祈りを捧げた。


「どうぞ、無事に愛実ちゃんの出産が出来ますように」

「どんな子が生まれてきても、わたしたちが愛しいと思うことが出来ますように」

「愛実ちゃん、もしかして、赤ちゃんのことがちょっと恐い?」

「うん……お父さんとお母さんには、わたしはだいぶ苦労をかけたから。同じような子が生まれてくるなら、正直、ちゃんと育てられるかな? って、心配なんだ。わたしが子どもの時みたいに、ふっとどこかへ行っちゃったりしたらどうしようって」

「子どもと親は違う人間さ。愛実ちゃんと同じには絶対にならないよ。育てやすいか、育てにくいかはあるかもしれないけど……僕もちゃんと力になるから。料理や洗濯や、掃除とか、いろいろなことを僕もやるよ。愛実ちゃんが子どもを見落としてしまったときがあっても、僕がフォロー出来るようにはしたいな」

「ありがとう、将くん」


大丈夫。俺らもちゃんと、見守っているからね、愛実ちゃん!


「さあ、また時を進めるよ、工藤君?」


天照さまの言葉が響き、愛実ちゃんと将くんの姿がだんだんと遠のいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ