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最終回-あるネット小説家の悩み

唐突ですが…最終回です。

『何??相談って??』

「実は唐突だけど…この短編集…どうしようかと思ってる。」

『なんで??もしかしてネタ切れ??』

「それもあるけど…役割を終えたって感じかな。」



 そう。役割は終わったと思う。

 もともとこの作者は書きたいテーマがあったから

 連載小説を始めた。

 …けど技術のない作者は書きたいことのすべてを

 一本の連載小説に乗せることはできない。


 だからその分を短編で表現しようとした。

 長編を書くなら練習が必要との意見もあったからだが…

 …どうもそういうわけにはいかないようだ。


 じゃあすべてを一本で表現できようになったのか??

 もちろん作者がそんな成長を遂げたというわけではない。

 けど…育ったものがないわけでもない。



「なんかさ…これ以外に二本ほど連載してるんだけど…

 いつしか登場人物たち勝手に動き出したんだよ。」

『勝手に動き出す??想像上の人物が??』

「ああ。そしたら勝手に話が進んでいくんだ。」

『それならいいじゃない。楽になったんでしょ??』

「だけどそうすると…困った問題があってな。」

『問題??』



 そうなんだ。

 だって勝手に動き出されたら収集がつかない。

 作者自身でさえ分からない方向に話が進むことがある。 

 …なにしろ登場人物たちは作者自身の分身。

 主役級は設定をしっかり決めてるからまだいいけど、

 脇役の人格はほぼ作者の一部。

 つまりは…未熟者ばかりの集団だから。


 …なのに脇役には、賢者も人格者も秀才もいる。

 自分より年上の人物もいる。

 未熟者である脇役たちにその役割を負わすには、

 作者は実態以上の人間にならないといけない。

 しかも会話が始めればそれは作者だけの自問自答。

 自分より優秀な人物の会話を一人で自問するなんて…

 どこかで歪が出てくるというものだ。


 …彼等を制御するのが今の作者には精一杯。

 だから他にはもう…



『じゃぁ…むしろ長編を止めるべきでは??』

「そうもいかないよ。いまや彼等は自分の分身も同然。

 …対して短編には自分の人格は出てこない。

 登場人物は話の都合で作っただけの使い捨てだ。」

『だから長編の面倒を見たいと…』

「ああ。それに一人が育ちだすと周囲も育つんだ。

 脇役同志にも設定があるから制御が大変なんだよ。」



 そう…これは作者も聞いたことがある。

 一つの話で登場人物が育つとまた別の人物が生まれ、

 あらたな話が動き出すらしいのだ。


 そして頭の中には、新たな伊吹が生まれつつある。

 短編より…この方が向いているのかもしれない。

 


『じゃぁ…もう短編は書かないの??』

「…定期掲載はないと思う。

 もし頭の中で魅力的な人物が動き出したら…

 その時は書いてみようと思う。」

『今は動き出してないの??』

「ああ。そういう人物が今はいないんだ。

 でも正直30回…半年も続くとは思わなかった。

 こうして最終回も書けた。いい引き際だよ。」

『そうだね…潮時かもね。』



 …というわけで…

 この連載は今回をもって終了します。

 

 ご愛読ありがとうございました。

 また機会があれば書いてみたいと思います。



 2014年10月1日現在、作者には他に長編が一本。

 一話完結の月次連載もありますのでこれらは続けます。

 さらには新連載も考えています。

 あらためてよろしくお願いいたします。



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