026-痴漢と冤罪を減らしましょう。
意外と簡単な痴漢を減らす方法。
やってみっる価値はあるのでは?
『キャー!!この人痴漢です!!』
「な…何を言ってる!!言いかかりだ!!」
今日も満員電車で痴漢騒ぎが起きた。
女性専用車両とか対策してるのに…
<チカン・あかん>とかの標語もあるのに…
…それにしてもちょっと多すぎないか??
ここのところ、週に一度は痴漢騒動に目にする。
それなりに対策してるのに…なぜだろう??
…でもそれは多くの人が感じていたようで…
しばらくすると、ウチの会社で対策がとられた。
「はぁ??通勤時間をずらすんですか??」
「そうだ。早く家を出られる者は一時間早く来い。
逆に昼から来て、遅く帰っても構わん。」
「でもそれでは…業務に支障が…」
「あとな、酒を飲んだ後はタクシーを使え。
酔ったら電車に乗るな。家に着くまでが勤務だぞ。」
「…遠足みたいですね。それが痴漢対策ですか??」
「いや…冤罪対策だ。」
…そう…会社が懸念するのは痴漢よりも冤罪だ。
…若い女子社員が痴漢にあうのは問題だけど…
それにより会社を去る者はほとんどいない。
けど冤罪に巻き込まれた男性社員はどうなる??
犯罪者となれば会社に置いてはおけない。
しかも金のありそうな職責の高い者ほど狙われやすい。
特にウチは一流の出版社だから割と給料は高い。
冤罪被害の本人ばかりか、会社だって被害を被る。
…それにしても迷惑な話だ。
痴漢をする男も自意識過剰な女も…
こうしていつもとは異なる時間の電車に乗ったのに
そこでもまた電車では痴漢騒ぎが…
…でもよく見るとあの男も女も前にも見たような…
気になって後をつけてみると…
え…ウソ??
「ちょっと!どういうことですか??
なんであなた方…駅の事務所に入るんですか!?」
「あっ。…それはその…」
「ちゃんと説明してください!!
私はマスコミ関係者です。場合によっては…」
「…わかりました。
でも、できればオフレコにしていただければ…」
…というわけで駅事務所で事情を聞いてみると…
意外な答えが返ってきた。
実は…彼等は鉄道会社の職員だった。
毎日のように痴漢騒ぎを起こてたのは会社の指示。
男性客にはいつ訴えられるのかという印象を与え…
女性客には身近に痴漢がいるという印象を与え…
その結果、どちらも警戒するようになったという。
男は不用意に女に近寄らないから冤罪は減る。
女は不用意に触られやすい場所には立たない。
…また騒ぎが日常的になったから…
被害者も泣き寝入りしなくなったらしい。
「…なるほど。…そういうことですか…。」
「ええ。実際の痴漢件数は大幅に減ってるんです。
だから報道してほしくないんですよ…。」
「しかし…なぜ鉄道会社がそこまでするんですか?」
「…もちろん正義感もありますけどね…
この対策以降、ラッシュが大幅に緩和されたんです。
多くの会社が時差出勤を奨励しましてね…」
「なるほど。それは鉄道会社にもメリットですね。」
「あと、タクシー業界からの支援を受けてまして…」
「そうか…タクシー業界も儲かるんだ…。」
「しかし…もう終わりですね。
マスコミに知られたら、この対策はおしまいだ…」
「…いえ。私は報道はしませんよ。
誤解されやすいですが、下種な一部の連中を除けば…
本来、我々マスコミは世の中をよくするための存在です。
黙っている方がよいのなら…しばらく黙認しますよ。」
「…助かります。
もう暫くしたら、必ず最初に情報提供しますよ。」
…こうして暫く発表できないとはいえ…
私は特ダネを手に入れた。
痴漢は減り…冤罪も減り…通勤ラッシュまでも減った。
でもおかげですべてが上手くいっているかと言うと…
少しだけそうでもないみたいで…
『駅員さん!!この人痴漢です!!』
「な…何を言ってる!!言いかかりだ!!」
『駅員さん、私の証言を信じますよね!!
だって毎日のように痴漢があるんですからね!!』
…哀れだ。
実際の犯罪件数は減っているのを知らないんだ…
そして件数が減ったから…一件当たりの取り調べは、
以前よりずっと厳しくなっているというのに…。
『ええっ!?話が違います…。
すぐに示談でお金が取れるんじゃないんですか??』
「…そんなわけないだろう…。」
『だって駅事務所に入った人はみんなすぐに出てくる…
日本は性犯罪大国だって聞いたから…』
「…つまり…意図的なでっち上げってことですね??
まったくどこの国の人なんだか…。」
『……ニダ…』
…こうして悪質なでっち上げ犯も増えたらしい。
だがおかげで、でっち上げの可能性は常に疑われ…、
痴漢という犯罪ではこれまで完全に忘れ去られていた
≪疑わしきは罰せず≫の原則が定着した。
そしてでっち上げ犯の罰則は大幅に強化されたのだけど。
…これ、いつまで続けるんだろう??
バレたら大変な社会問題になるというのに…。
痴漢も怖いけど、でっち上げはそれ以上に怖い。
人の一生を簡単にぶち壊すんだからね。




