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021-人類がウソをつけなくなったら

ちょっとだけ前回020の続きの神様編です。

少しブラックです。

「うーん。まだC国とJ国は争わないか…」

「しかたないか。もう戦争なんて滅多にない時代だから…」



 …神々は困っていた。

 人間の魂は劣化の一途をたどっている。

 しかし人が大量に死なないと、新たな魂を人間界に入れることが

 できないからだ。


「そもそもC国は戦争したがってる発言を何度もするものの…

 なぜ実行に移さないんだ??」

「しかたないさ。C国に限らず…人類はウソつきになったから。」

「けっ…人間ごときが小賢しい。」

「その辺にしとけよ。最近の人類はめんどくさいぞ。」

「かわいくねぇなぁ。

 つい千年ほど前までは、雷ひとつでビビりまくってたくせに。」



 …とは言えなんとしないとマズイ。

 このままでは、宇宙でも珍しい文明社会がダメになってしまう。

 神々は頭をひねらせた。


「なぁ…なんで人間はこれほど劣化したと思う??」

「おそらく…言葉に責任を持たなくなったからだろうな。

 言霊ことだまとかもう死語だもんな。言葉が軽すぎる。」

「たしかにな。最近の人間の無責任な発言は酷いから。」

「ああ。ウソや捏造。言い掛かりで金をタカり…。」

「…だから特定の国のせいにするなよ。」


「じゃあ、人類の言葉をすべて本当にするってのはどうだ??」

「…そうだな。荒療治だが…人間も少しは考えるようになるだろう。」



 …というわけで、その日から人間の発言はすべて本当になった。



「シバくぞ!」といった人の大半は傷害罪で逮捕された。

「ワシはアホやから…」と謙遜した人はみんなアホになった。

「命を賭けててやります!」と言った人の大半は命を落とした。

『死んでやるぅ!』と言った人はここで書くまでもない。

 …別の小説【県庁自殺課】で面倒を見てもらおう…



 …だが、こうなると人類だって黙ってはいない。

 神々にだって物申す。


「いい加減にしてください。いくら神様でも酷すぎます。」

「…たしかにやりすぎたとは思うが…

 今の人間の堕落だらくを思えばこれぐらいの犠牲は仕方ないだろう。」

「これぐらいの犠牲って…何人が命を落としたと思っているのですか?

 人一人の命は地球より重いんですよ!」



 ≪あっ!≫

 この発言を聞いた瞬間、神々は一斉に全速力で逃げ出した。


「ちょっと神様、…逃げないでください!!」


 …と言った次の瞬間…地球の質量は従来の70億倍以上になり…

 …もちろん重力も従来の70億倍以上になり…

 地球は巨大なブラックホールに姿を変えた。

 人類はもちろん…太陽系はすべて吸い込まれて無に帰した。



「ふぅ…危なかった…」

「さすがにあの重力に巻き込まれたら、我々も助からないからな。」


「…でも惜しかったな。あれほど発達した文明も珍しかったのに。」

「仕方ないさ…。身の程を知らぬ者は、いずれ滅びる運命なのさ。」



200コン(200文字の小説)に応募した

作品のフルバージョンです。

本当は1000文字以上あったんだな。。。

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