018-こんな妻を持った男は…幸せ者??
一般的な男と女の話です。
ちょっと長いので5分じゃ読み切れないかも…
『あなた聞いてよ!またお義母さんったらああでこうで…』
「ウルサイな。またお袋の悪口か?」
『人のやり方にいちいちケチばかりつけるのよ!キー!!
そりゃ私はお義母さんにはかなわないけど、一生懸命やってるのよ!』
「なんだそれ??…じゃあお前のやり方に問題があるのは確かだろう。
他人の指摘を素直に聞けないと成長できないぞ。」
『何よ!どっちの味方なの!?』
「はぁ?…なんでそんな話になるんだよ??」
…いつもこの調子だ。
嫁はその…何と言うか…とても効率が悪い。
傍から見れば改善点が山積みだ。
…なのに他人のアドバイスを聞けない。
それどころか指摘してくれる人を悪だとでも思っているらしい。
相手の悪口を言えば、自分を正当化できるとも思っているのかな??
何か言われれば『あなたには言われたくない!!』ばかり…。
何か指摘されれば『一生懸命やってます。』ばかり…。
…これじゃあ家庭生活がうまくいかないのは当然だ。
とりあえず・・・結婚生活の長い友人に相談することにした。
「残念だけど諦めろ。奥さんに成長する意思はないよ。」
「えっ?諦めるのか?」
「そうだ。奥さんは自分のやり方しかできない人だ。
自分を一人前だと思い上がってる人に、改善なんか望めない。」
「けど、それで苦労してるのはアイツなんだぞ。
あれじゃ誰だって指摘するよ。なのにその指摘を不快って…。」
「仕方ないだろう。そんな奥さんを選んだのはお前だろう?」
「…そりゃそうだけどな。
成長する意思がないって…ちょっと考えられないよ。」
「そうだな。…それでどうするんだよ?
相談ってのは、奥さんの成長を即すことじゃないだろう?」
…その通りだ。
この際、…嫁が成長しないのは…もう仕方ない。
俺もよほどのこと以外は目を瞑ろう。
けどその上で家庭生活を円満にするには…どうすれば??
「あと気を付けた方がいいぞ。そういう女は勘違いするからな。
自分の味方をしてくれない旦那はお袋さんの味方だって。」
「はぁ??なんでそうなるんだ??」
「視野が狭くて、敵味方でしか判断ができないからだろう。
≪旦那は私の味方でない≫⇒≪じゃあ誰の味方だろう?≫⇒
≪知ってる範囲で探そう≫⇒≪義母≫・・・てな感じだろう。」
「バカらしい…。何だよその幼稚な思考回路は…」
「残念だけどそれが視野の狭い女の考え方だよ。
でも付き合ってやるしかないだろう。
そんな愚妻を選んだお前にも責任があるんだから。」
…愚妻か。
その通りだな。
ま、自分もいい夫ではないのだろうが…。
…でもこれだけ幼稚では他人に指摘されて当然。
なのに指摘してくれる人に感謝するどころか悪態をつく。
こんな嫁に同調するのは…さすがにできない。
けどその上で家庭生活を円満にするには…どうすれば??
「でもな、うちの嫁も似たようなもんだよ。」
「けど上手くいってるんだろう。どうやってるんだ?」
「…とりあえず、嫁の味方をすることだろうな。
夫は無条件で味方をするべきと考える嫁は多いんだぜ。」
「なんだそりゃ?普通は正しい方に肩入れするモノだろう。」
「それは当然だが奥さん相手にその理屈は通らない。
だって彼女、自分が正しいと信じて疑わないんだろう?」
…酷いな。…話にならない。
でもそんな家庭でも・・・壊したくないんだ。
…どうすれば、そんな間違いだらけの嫁に味方できる??
「とりあえずは無条件で嫁さんの味方をしてやりな。
あと、奥さんは≪指摘する人=敵≫だからそこも注意して。
それだけで家の雰囲気は少しは良くなるからさ。」
「仕方ない…頑張ってみるさ。
けどどうしても同調できない場合はどうするんだ?」
「わかってる。だからさ。条件を一つだけ付けるんだ。」
「・・・一つだけ?」
…帰ってから…私は嫁に宣言した。
「とりあえず・・・俺はお前の味方だ。
お前は他人に指摘されるのが嫌いだから…できるだけ控える。
だからお前ももう少し柔軟な態度でいてくれ。」
『…わかったよ。でももうお義母さんに味方しないでよね。』
「何を言ってる?俺は元々お袋の味方なんかしてないさ。
ただ…一つだけ絶対に譲れない条件が一つある。」
『条件って?』
「俺は…他人の悪口を言う者には味方しない。
悪口にだけは一切同調しない。それが最優先事項だ。」
…そうなんだ。
俺が嫁の味方できない最大の原因は…
嫁が他人を…特にお袋を悪く言うからなんだ。
男は女よりもはるかに…他人の悪口が嫌いだ。
ましてその場にいない人の陰口への背徳感が強い。
悪く言われているのが身内だからイヤだったのではない。
陰口に同調する行為自体が…耐え難い背徳だったんだ。
だって…俺は男だから。
その日から、嫁はお袋の悪口を言わなくなった。
いや…誰の悪口も控えるようになった。
だって悪口を言えば夫に味方してもらえない。
本来は味方のはずの夫でさえ敵にしてしまうから。
…はっきりそう宣言されているから。
「へぇ良かったな。奥さん、変わったんだな。」
「ああ。驚く程な。
俺が味方だと分かったから、家庭の雰囲気も良くなったし。
あとお袋への不満を具体的に伝えられるようになったんだ。
だからお袋も問題を理解してくれて、いろいろ解決したよ。」
「じゃあ奥さんは成長したんだな。お前も助かっただろう。
他人の悪口を聞かされる以上の苦痛はないからな。」
「ああ。おかげで俺も嫁の話を以前より聞くようになったよ。
あいつが話し方を変えたから、俺も変われたんだ。」
「じゃあ俺も取り消さないとな。」
「何を?」
「奥さんを愚妻と言ったことさ。
これだけ改善できるのは・・・賢妻だよ。」
…おいおい褒めすぎだろう。
嫁は当然のことをしたまででだろう。
「いや、充分に賢妻だよ。奥さんは男とは違うんだ。
陰口を言わずに話せるのは当然ではないんだぜ。」
「そうなんだ…」
「だからもっと意識して感謝しようぜ。」
「何を?」
「悪口を言わない妻を持った夫は…幸せ者だってな。」
その場にいない人の陰口を言わない。
成長意欲を失わない。
指摘してくれた人には感謝する。
他の連載小説(空を飛ぶ…)でも書いたけど、
これが大人の基本だと思う。




