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013-時計の振子

それぞれの役割を果たす組織。

その中にあって必要なものとは?


「俺、もう我慢できない…。」

「どうした、秒針くん。何があった?」

「何がじゃないっスよ分針さん。

 なぜ俺たち秒針は、一番下っ端なんですか?」



 …時計における秒針。

 実はあまり注目されていない。


 時間として認識されるのは普通、何時何分まで。

 つまり大抵の人は時間を見るのに秒針は見ていない。

 秒針はせいぜいがストップウオッチの代わり程度にしか

 見られていないのが実情だ。



「特に最近の電波時計は酷いっス!」

「確かにあれは酷いな。秒針は突然止められて…

 決められた時間に合わせられるんだから。」

「そうっス!俺らは正当に評価されてないっス!!」



 というわけで…

 秒針は仕事を放棄することにした。



「何をしとるのだね、分針くん。」

「あっ。時針さん。」

「キミが動かないと私は動けないじゃないか。」

「しかし…秒針くんが動いてくれない私も動きが…。」

「何を言っとるのだね。

 キミは秒針くんに動かされるだけの存在かね??」

「…けっ…よく他人ひとのことが言えたものだ。

 自分だって俺に動かされるだけの存在のくせに…。」



 というわけで…

 今度は分針が仕事を放棄してしまった。

 


「何をしとるかね、時針くん。」

「あっ。ハト時計のハトさん。」

「キミが動かないと私が出てこれないじゃないか?」

「しかし…分針くんも秒針くんも動かないのでは…。」

「何を言っとるのだね。

 キミは彼らがいなくては何もできないのかね??」



 …とうとう時針くんまで仕事を放棄してしまった。

 


 結局、時計は止まったままだ。

 このままでは捨てられるのは時間の問題。

 そうなると…時針も分針も秒針もハトもない…。


 結局みんなで話し合いがもたれることになった。

 


「なぁみんな。なぜこうなったと思う?」

「結局…互いの役割を軽視してからじゃないのかな??」

「そうだな。秒針くんがいないと分針くんは動けない。

 分針くんがいないと時針くんも動けないんだよな。」


「けど…時針さんやハトさんがないと時間は伝わらない。

 それぞれに役割があるんだよな。」 

「要は互いを尊重することだよ。

 自分が一番頑張ってると思うからいけないんだ。」

「だな…。互いを顧みずに自分だけ尊重してもらおうなんて…

 考えてみれば愚かなことだよな…。」



 こうしてみんな、互いを顧みて尊重するようになった。

 一番多く動き回る秒針、時間を伝えるのに一番大切な時針、

 間を取り持つ分針、仕事をアピールするハト…。


 会社で言えば現場と役員、管理職と宣伝部のようなものだ。

 さすがは時計だけに…

 うまく回るようになったのだが…

 


「それはそうと…まるで役に立ってない者がいるよな。」

「ああ…あいつか…」

「俺たち電池式なのに…あいつは必要ないだろう??」 



 そう…どこの世界にでもこういう者はいる。

 なのにやたら存在だけはアピールしているから性質たちが悪い…



 クオーツ時計の振子…


 さしずめ会社で言えば…



本当にいい組織のためには全員が気持ちよく働ける環境が

必要だと思います。

できれば振り子も生かしてこそ…なんだけどな。


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