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001-最強の子育て講演会

これまでの短編集を連載形式にしてみました。

改めてよろしくお願いします。


本作は第一作で新作です。

『うわぁ…すごい大盛況ですね。

 今日の子育てセミナーの講師は誰ですか??』

「いや…まったく無名の人たちだよ。」

『え、じゃあなぜこれほどの客入りが??』

「実はさ…」


 私は耳を疑った。

 今日、壇上に立つ数人の講演者たちはみんな…


 ≪犯罪少年の親たち≫なのだ。



『えっ…。そんな人の話に意味があるんですか??』

「あるさ。いいか。ほとんどの親は子供をそれほど

 立派な偉人に育てるつもりはない。

 最低限、まともな大人に育てたいだけだ。」

『…ですよね。』

「だったら立派な子供を育てあげた親を見習うより、

 ダメな子供を育てた親を反面教師にする方がよほど

 効率的というモノだろう。」


 なるほど…だからこれほどの人数が集まるのか。

 親が一番聞きたいのことは…これなのかもしれない。



「それに…この講演にはもう一つ意味があるんだ。」

『どんな意味ですか??』

「講演料だよ。

 犯罪少年の親たちの多くは賠償金を支払わない。

 しかも貧乏だし、子供のせいで職を失う者もいる。

 だから講演料が被害者への賠償金になるんだ。」


 なるほど。言っていることは分かる。

 しかし…こんなことが許されるのだろうか??


『でも…これでは講演者たちが可哀想です。

 いくら犯罪者の親と言っても…』

「だからいいんだよ。

 犯罪者を育てたら自分が同じ目にあわされる。

 そう思ったら…子育てに手抜きはできない。

 実際に犯罪件数は激減しているんだ。」



 …えげつない話だ。

 しかし講演会が始まると、壇上の親の語ることに

 客の親たちは熱心に聞き入っている。

 おふざけは全くなしだ。


 子供に愛情を注がず…責任を負わせず…叱らず…

 節操がなく…子供に手本を示すこともできない…

 …そんな親にだけはなりたくない。

 セミナーの参加者はみんなそう思ったらしい。


 子供だって同じだ。

 自分の親が壇上でさらし者にされる。

 親不孝な犯罪少年でさえ、これはこたえるらしい。

 

 さらには逆説的な本も出た。

 ≪暴走族の育て方≫、≪苛めっ子の…≫、≪性犯罪者の…≫

 ケース別の犯罪者の育て方はベストセラーになった。

 売上金はもちろん…被害者救済に使われた。



 さて…今日も日本のどこかで講演会が行わます。


 どうですか?皆さんも一度聴きに来られては??


 きっと貴方のお子さん…立派な大人に育ちますよ。



いかがでしたでしょうか。

来週からも土曜日23時に、ネタが切れるまで掲載予定です。

明日からは一週間かけて短編として掲載した作品を引っ越しますので

こちらも楽しみにしてください。


あと他にもいろいろ連載してます。

詳しくはふみた(作者名)で検索してください。

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